国家試験の受験対策講座の場合、企業研修とたとえ同一の内容であったとしても、講義のスピードは格段に速くなります。
一般の企業研修であれば、民法の基礎論は1日掛けて行うことが多いのですが、たとえば、中小企業診断士の受験対策講座の場合には、2時間〜3時間で一気にこれを進めます。
受験対策講座の場合、どうしても、時間あたりの情報量が求められるため、ゆっくりと進めることができないのです。
ただし、早口でまくしたてるという講義ではなく、本質的に必要なテーマや情報だけを取り出し、それらの間に何らかのストーリー性をもらせ、講義が終わると、「ああ、とりあえず、概要は把握できた」と感じていただけるよう、事前に講義設計しておくことが大切です。どこをそぎ落とし、どことどこをつなげるか、この講義設計こそ、講師の腕の見せ所だと、私は考えています。「選択と集中」というよりも「選択と連結」というべき発想です。

断片的に知識や情報を並べ立てただけの講義になってしまっては、受講された皆さんは満足を得られまえん。

「講義でだいたいの全体感はつかめた」
「後はテキストの細かい部分は熟読してみよう」
「過去問題、見てみようかな」

受講された皆さんがこのように感じてくださることが大切です。つまり、その科目への

「自信づけ」

「興味づけ」

が狙いなのです。

前述したとおり、講義自体にまとまりは必要(狭義のまとまり)ですが、講義だけで完全に自己完結している必要はありません。もう少し深い勉強をしてみたい、それができそうだ…という気持ちをいだいていただけるような講義をすることが大切なのです。狭義のまとまりは必要ですが、講義のまとまりは必要ないのです。

<次回に続く>
㈱経営教育総合研究所 竹永 亮
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