理論政策更新研修:「ストーリーとしての中小企業の競争戦略」

理論政策更新研修:「ストーリーとしての中小企業の競争戦略」

皆さん、こんばんは。
三連休、いかがお過ごしでしょうか。
私は今日、今期最後の理論政策更新研修の講義を担当させていただきました。
参加者実に45名様(@_@) 久しぶりに701セミナールームが一杯でした!

このテーマ。
今年の理論政策更新研修はすべてこのテーマでお話しています。

楠木先生が研究された、マブチ・モーター、デル・コンピュータ、サウスウエスト航空、スターバックスコーヒーに加え、私自身が研究してみた中小企業である

① ダイワハイテックス
② 福島屋
③ 徳武産業
④ 浜野製作所

を加え、これらの成功企業が

「ストーリーとしての競争戦略」

を描いているのかを検証してみました。

いずれの企業も、コンセプト、最終論理(競争優位の3つの源泉)、戦術(戦略の構成要素、打ち手)、中核的構成要素(クリティカル・コア)がはっきりしており、かつ、そこには確固たる「一貫性」が存在します。

楠木理論の優れているのは、

「楽」
「簡単」
「長寿」

の3要素を満たしている点です。

きちんとしたストーリーが描ければ、大きな設備投資などしなくても、きちんとした「持続的利益」を確保できますから、企業は「楽」ができるようになります。
複雑怪奇なシステムや装置が必要なわけでも、重厚長大な社員教育が必要なわけでもありません。経営者がその気になれば、サポーターとしてのコンサルタントくらいいたほうがいいでしょうが、「簡単」に戦略の骨格を創りあげることができます。
この方法は普遍性が高いので、一度やり方を覚えてしまえば、かなり長い間使用できる理論です。そういう意味では「長寿」であることも疑いの余地は少ないでしょう。

もっとも、本当に簡単か…というと、そうはいきませんね。
何せ戦略ですから。
今までの戦略策定法に比べれば、シンプルだし、相対的に簡単だ…というところに留まると思います。

たとえば、コンセプトについてはそれなりの「産みの苦しみ」がついてまわります。

「SP(戦略的立ち位置)」は「金とアイディアの戦略だ」と申し上げましたが、そのアイディアはすぐには降ってきません。

「OC(組織能力)」に至っては、毎日のビジネス的「筋トレ」の賜物ですから、そう簡単には身につくものではありません。「時と人の戦略だ」と申し上げたのはそのためです。

ストーリーの「強さ」についても同様です。
なんとなあく、それっぽおいビジネス・ストーリーを語る方が多いですが、

「それって、本当にビジネスになるの?」
「それって、本当に利益につながるの?」

というストーリーが多すぎますよね。

あまり話の腰を折っては行けないと思いますから、そういう話は適当に頷いて対応することもあるのですが、出資しませんか?という話になったとしても、100%お断りすると思います。

脆弱な(つまり「弱い」)ビジネス・ストーリーしか描けないようならそのビジネスには手を出すべきではないのですよね。本当は。

ビジネスを始めるならば、

1.自分のやろうと思っているビジネスは、持続的利益獲得のための3つの源泉(コスト優位、高付加価値化、独占)のいずれかに該当するのか(有り体に言えば、儲かるのか?)
2.その源泉を実現するための、コンセプトはしっかりと語れるか(誰のために、何を、どう提供するのか。有り体にいえば、ドメインが描けるのか?)
3.そのための戦術(SPとOC)が多数存在するのか(「ないんですよ。でもとりあえず頑張ります」は戦略ではないです)
4.コンセクと、源泉、SP、OCをつないで、蓋然性が高く(強くて)、各種打ち手(戦術)の間がきめ細かく影響を及ぼし合うようになっていて(太くて)、めくるめく展開が期待できるのか(長い)(要するに、強さと太さと長さを兼ね備えた戦略になっているのか)
5.その中に、「うちの会社の目玉」たる「中核的構成要素」があるのか

は、セルフ・チェックするべきだと思います。

5はなくても、せめて、1〜3,できれば、1〜4は揃っていないと、儲かりませんよね。

「今はお客がいるから大丈夫」

という方も要注意。

これって、ストーリーになっていないということの裏返しです。

大切なのは、

「持続的に顧客を獲得できるしくみをストーリーとして持っているか」

という点です。

うちの会社が、動画と書籍に力を入れ、それを説明会につなげているのも、私が、ビジネス雑談サロンとFacebook、YouTubeを組み合わせて、プロモーションならびに商品開発活動をしているのも、

「長い長い思考と試行」

の末にできあがったストーリーあってのものであり、個別に行うだけでは、おそらくは、どの打ち手(戦術)も、

「単なる徒労」

で終わってしまうでしょう。

「いやあ、御社と同じ、◯◯をやってみたんだけどね、うちじゃあ長続きしなかった」

という超お決まりの事後報告をお聞きするのは目に見えています。

コンセプトづくり、SP探し、OCづくり、因果論理の組み立て(特に「強さ」)を避けて、やみくもに

「頑張る」

をやってはいけないわけです。

「思考と試行の繰り返し」

しかありませんよね。

私は、これからも、

「ストーリーは描けないけど頑張ります」

じゃあなくて、

「うまいストーリーを作って、「楽」をする方法を考えます」

という方と情報交換したいものです。

考えることから、逃げちゃダメなんですよね(^^)

2014年3月22日