2010年10月のアーカイブ

常陽銀行ビジネス・アカデミー開講記事

私が以前より担当させていただいている常陽銀行ビジネス・アカデミーが、一昨日の日本経済新聞に掲載されました。

http://www.keieikyouiku.co.jp/images/pdf/nikkei221026.pdf

写真は、開講時の講義(オープニング・セミナー)において、中小企業診断士試験の学習法を話しているときのものです。

㈱経営教育総合研究所 竹永 亮(takenaga@keieikyouiku.co.jp ご意見・ご感想はこちらへ)

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2010年10月28日

ビジネス・スクール初日を終えて

先日、ある企業で、ビジネス・スクールの開催セミナーがありました。

かつて私の研修を受けてくださった方が多数参加いただき、とても懐かしい顔ぶれの中での開講となりました。
こちらの企業での今年のテーマは、昨年までのMBA的セミナーから一転。中小企業診断士1次試験突破を主目標に据えています。

目標は1つ! 「合格」ですね!!

前半は、中小企業診断士の学習法について講義を展開。中小企業診断士制度の概要、1次試験・2次試験の性質的違い、1次試験学習法について、確認いたしました。

後半は、時間の許す限り、1次試験・2次試験の共通テーマであるマーケティングについてお話をさせていただきました。
マーケティングの定義、セリングとマーケティングの違い、マス・マーケティングとセグメント・マーケティングの違い、市場セグメンテーションの4つの留意点、消費財の分類、非探索品の特徴、テスト・マーケティングの留意点、価格設定の原則、新製品の価格設定法、顧客心理に基づく価格設定法、ティーザー広告、プロモーション戦略の方法、口コミとバズ・マーケティング、チャネル政策の3類型等について、確認しました。
いずれも、重要な概念とキーワードです。しっかりと復習をしていただきたいと思います。

スタート時に重要なのは、学習計画の作成。長期計画と短期計画、実行しながらのローリング・プランが鍵となります。お渡しした学習計画表を見ながら、ご自身にあった計画をしっかりと立ててください。

少しでも気になる点のある方は、月次集中セミナーの際に、遠慮なく、講師をつまえてください。皆さんが納得いただけるまで、きちんとお答えさせていただきたいと思います。

来年の夏まで、どうか、よろしくお願いいたします。

㈱経営教育総合研究所 竹永 亮(takenaga@keieikyouiku.co.jp ご意見・ご感想はこちらへ)

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2010年10月25日

動機づけ地形図モデル(第6回)

では、次に、有能感について見ていきましょう。

スライド16

1.   有能感の定義
「有能感」とは、仕事を行ううえで必要な知識・スキル・ノウハウなどに対する自信全般のことをさします。
人は能力が高くなると、それだけでモチベーションは高くなります。新入社員のときに学生気分が抜けず、おどおどと業務に接し、先輩社員にどなられて、落ち込んだことのなる人が、1~2年後に態度が堂々としてくることがあります。

スライド18

2.   他の因子との関係
有能感は、他の因子との関係も深い因子です。P.16の図も併用しながら、確認していきましょう。

(1) 自己決定感との関係
有能感は、後述する自己決定感に影響を及ぼす因子です。学習して自信がつき、有能感が向上すれば、上司や同僚は安心してその人に仕事を任せてくれる可能性が高まります。今までは上司や先輩の決済が必要だったものを「お前に任せる」「君の判断でいいよ」と言ってもらえるようになります。よって、自己決定感が高まります。

(2) 適職感・人的目標との関係
有能感は、後述する適職感・人的目標から影響を受ける因子です。

① 適職間との関係
適職感が向上するということは、「この仕事は私にぴったりだ」と思うようになるということですから、その仕事についてもっと学びたいという学習意欲が芽生えます。学習は更なる自信につながりますから、有能感が高まります。「適職感→有能感」の矢印は「好きこそ物の上手なれ」という諺通りの流れを示しています。「有能感→自己決定感→適職感→有能感」という流れを見ていただくと、三者間で渦(ループ)の関係になっていることがわかります。これについては、自己決定感のところで、補足します。

② 人的目標との関係
有能感は人的目標からも影響を受けます。ビジネス上の人的目標が見つかれば、「あの人(目標となる人物)に少しでも近づきたい」と考え、もっと学びたいという学習意欲が芽生えます。学習は更なる自信につながりますから、有能感が高まります。

(3) 承認との関係
後述する承認とは相互に影響を受け合う因子です。学習により自信がつき、有能感を感じられるようになれば、その状態は職場の上司や同僚、得意先からも評価されます。「彼は仕事できるようになったね」「彼は努力家だよ。よく勉強している」という評価を受けた当人は、「その期待と評価に答えるべく、もっと努力しよう」と奮い立ち、いっそうの学習に励みます。ですから、動機づけ地形図を見ると、「有能感→承認」「承認→有能感」と2本の矢印が行き来する渦(ループ)になっています。

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2010年10月24日

動機づけ地形図モデル(第5回)

罰則を使って、あいさつの効用を訴えることもできます。

スライド13

通常、あいさつ革命における罰則の導入と聞けば、「あいさつしないと罰金100円」のような方法を思い浮かべるものです。しかし、まったく逆転の発想をするとどうなるでしょうか。

【設例】

あいさつがなかなか徹底できないA社では、ある営業日にゲームを行った。ゲームのルールは、「今日一日、あいさつをしたら罰金100円」というものであった。スタートして3時間経過した昼ごろ、部下たちのほうからマネジャーに「あいさつしないと仕事になりません。あいさつがビジネスに不可欠であることはよくわかりましたので、ゲームを終了し、通常業務に戻してください」と申し出てきた。それ以降、A社ではあいさつが大きく問題視されることはなくなった。

設例の企業では、マネジャーが機転を利かせて、あいさつの重要性を認識するためにあえて、罰則という外発的動機づけを活用しています。転じて、部下たちの心に「あいさつは誰がなんと言おうと必要なものだ」という価値観を醸成し、見事に内発的動機づけに転換しています。

なお、A社では、新人が入ってきたときには、都度、個別に罰則ゲームを行っています。同じように音を上げた瞬間にゲームは終了です。
マネジャーは、「やっぱりあいさつは大切だよね」で締め、新人を納得させるのです。

スライド14

このように、関係性の向上策は、すべて直接的向上法です。

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2010年10月22日

動機づけ地形図モデル(第4回)

具体例の一つに「100-1=0」という式を公理として使う例話があります。

スライド11

サービス業の世界では、顧客のために100のいいことをしても、たった一つ、あいさつがろくにできないと、サービスの評価はゼロになってしまうという話です。あいさつはそれくらい大切なものだと伝えるための一つの方法です。

ディズニーランドは、日本でも大人気のテーマ・パークですが、ディズニーランドの魅力の1つが、従業員(キャスト)の顧客(ゲスト)に対するあいさつにあります。どんなにすばらしいアトラクションがそろっていても、あいさつがなくなってしまったら、ディズニーランドのサービスは、とたんに立ち行かなくなってしまいます。

スライド12

「100-1=0」という式を使って、「それくらいあいさつは、サーボスの基本であり、必要条件なんだよ」と、従業員に教えるわけです。

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2010年10月20日

動機づけ地形図モデル(第3回)

動機づけ地形図中の7つの湖を水で見たし、水位を高めるためには、間接的向上法直接的向上法の2つがあります。スライド9

間接的向上法とは、当該湖の上流に位置する湖の水位をアップし、その結果、水が上流から流れ込んで、当該湖の水位をアップさせるという方法です。関係性の場合には、これがありません。標高が一番高いので、上流の湖が存在しないのです。

これに対し、直接的向上法とは、当該湖自体の地下から水がわき出てくるように仕向け、直接的に水位を高める方法です。関係性の場合にも、いろいろな直接的向上法があります。話し方の研修を受けたり、相手の話を上手に聞く方法の研修を受けたりする方法も、その1つです。

しかし、研修は、お金と時間がかかります。そこで、従業員の動機づけに成功している企業のマネジャーたちが、現場で行っている、“お金のかからない方法”を、いくつかご紹介いたします。

第一に、「関係性向上のためのABCD」という方法があります。

人間関係の良好な組織を研究するとひとつの共通点を見つけることができます。それは、関係性向上のための「ABCDの原則」を遵守しているとこうことです。「ABCDの原則」とは、
A:当たり前のことを(ATARIMAENOKOTOWO)
B:馬鹿にせず(BAKANISEZU)
C:ちゃんとやり(CHANTOYARI)
D:できるようになること(DEKIRUYOUNINARUKOTO)
の頭文字をとったものです。

スライド10
ここでいう、A「当たり前のこと」の代表例は、

① あいさつ
② 身だしなみ
③ 笑顔
④ ルールを守る

といった、本当に小さなことです。

私たちのクライアント企業では、「あいさつ革命」を提唱し、成功した会社がたくさんあります。

<次回につづく>

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2010年10月15日

私の筆記用具履歴②

以前に、私の筆記用具として、Thinkpadを愛用している旨をお話しいたしました。

しかし、B5サイズのノート・パソコンにも欠点があります。

重い

という点です。レッツノートのように1㎏を割っているノートもありますが、Thinkpadは質実剛健だという長所と引き換えに、重量という短所も持ち合わせています。

ノートパソコンを持ち歩かなくても、「移動中にストレスなく文章を書く環境」を手に入れることはできないだろうか…私にとってのちょっとした課題となっていました。

今流行りのウルトラ・ノートを使うという手もありますが、「似て非なるもの」(B5サイズのノート・パソコンとウルトラ・モバイル・ノート・パソコン)を持つというのも、芸がありません。

ひょんなことから、上司の山口から、

キングジムのポメラがいいですよ。キーボードはしっかりしているし、打ち込んだ傍から、QRコード化して、iPhoneに転送することができますよ」

と教わり、山口がすでに所有している同機を拝借。試し打ちをさせてもらいました。

ストロークが深く、よい感触です。
まとまった文章を書く人間にとって、キーボードは重要ですね。万年筆のペン先のようなもの。好みと相性があります。ポメラのキーボードは、実にしっくりきます。
日本語入力システムにはATOKが採用されており、この点も、ありがたい配慮です。

早速、秋葉原へ。

ちょうど新型が出た直後。派手なディスプレイに展示されており、すぐにわかります。

こういうときの意思決定が速いのが私の長所。

「すみません。これください」

買い物時間2分支払完了

早速、電車の中で試し打ちです。

せっかちだなあ…と思われるかもしれませんが、そもそも、電車の中で「移動中にストレスなく文章が打てるかどうか」という点が、今回の買い物の焦点です。検証は早いに越したことがないのです。

マーケティング的に申し上げれば、今回の私は、「移動中にストレスなく文章を書くことができる環境」というコトを購入するために、キングジム・ポメラというモノの購入に至ったことになります。

ニーズは、「ポメラそのもの」ではなく、「移動中にストレスなく文章を書くことができる環境」だったのです(ポメラは、ウォンツに過ぎませんでした)。

iPhoneにはキングジムが提供している無料ソフト「ポメラQRコードリーダー」がありますから、ポメラに打ち込んだ情報は、即座に、iPhoneに移転することができます。書籍の原稿であれ、ブログの情報であれ、ビジネス・スクールの教材であれ、いつでも書くことができるのです。重いノート・パソコンを持ち歩く必要性は、一夜にして、小さくなりました。

ポメラの操作に慣れた翌日。

事件は起こります(といっても大した事件ではありません)。

<次回に続く>

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2010年10月12日

理論政策更新研修「DREAに基づく事業戦略策定Ⅱ」の初日を終えて

三連休の最終日は打って変わっての良い天気。
東京では、雲一つない青空になりました。気温も高く、ジャケットを着ていると、汗ばむ始末です。

さて、本日は、中小企業診断士の理論政策更新研修を担当させていただきました。

テーマはDREAⅡ(DREAに基づく事業戦略策定Ⅱ)です。

DREAはこの10年間、さまざまな企業で、事業戦略の策定手法として、弊社が体系化してきたノウハウで、3年前に、弊社が理論政策更新研修の研修機関に登録されて以来、全国の中小企業診断士の皆様にご紹介してきた手法です。

理論政策更新研修 DREAに基づく事業戦略策定Ⅱ 【講義用スライド資料】 校正反映版

3年目を迎える今年。DREAの続編として、「DREAⅡ」の研修プログラムを開発。今日は、その初日に当たります。

東京・関東のみならず、今日は、遠くシンガポールから参加してくださった方もいらっしゃいました。感謝に堪えません。ありがとうございました。

研修内容は、

前半が、

① DREAの全体像の振り返り
② 事業理念の重要性の再確認(軽く)
③ AD分析の手法の復習
④ 重畳的AD分析(AD分析を無理なく拡張し、分析のモレを最小限に抑える方法)の紹介
⑤ AD分析を指導する際の質疑対応の方法

という流れ。
まずは、前回学んでいただいたDREAについて思い出していただきました。

どうして、SWOTではなく、AD分析を用いるのか。もう一度確認です。そして、「SWOTさえしておけばよい」という発想の固定化を防ぐべく、今回はあらたに、重畳的AD分析についてもご紹介いたしました。

続いて、

中盤は、

⑥ ゲシュタルト分析の概念の確認(「ケーラーのチンパンジー」を用いた比喩)
⑦ ゲシュタルト分析の手順の確認
⑧ VRIO分析を応用したゲシュタルト分析
⑨ ゲシュタルト分析を指導する際の質疑対応の方法

と続きます。

バーニーのVRIO分析を用いると、非常にスムーズに、ゲシュタルト分析を進めることができますが、そのことを再確認していただきました。

そして、今回のDREAⅡのメインである、ドメインに話が進み、

後半は、

⑩ 拡張型ドメイン理論の基礎
⑪ 複数ドメイン候補の選定法①(PPM)
⑫ 複数ドメイン候補の選定法②(PMS)
⑬ ドメイン選択後のBSC(バランス・スコアカード)の使い方

と、講義・演習を進めました。

カビの生えた古典的理論」だと思われがちな、PPMも、ちょっと視点を変えてあげれば、非常に使いやすいフレームワークになります。

休み時間に、受講された診断士の方から、

「PPMを未来予想に使うという発想は初めて知りました」

と感想をいただきました。

そうなのです! PPMを現状分析に使うのはもったいない話。未来予想につかってこそ、意味のあるフレームワークです。そして、その際には、縦軸・横軸を自由に入れ替える柔軟な発想が必要になります。

DREAには5つの特徴があります。

① 主体を選ばない(汎用性が高い)
・ 事業に携わる者であれば、誰でも活用することができる(【例】社長、社員、パート・アルバイト、コンサルタント、営業担当者)
② 客体を選ばない汎用性が高い)
・ 客体の規模を選ばない(【例】個人企業、小規模企業、中小企業、大企業)
・ 客体の業種を選ばない(【例】製造業、流通業、サービス業、非営利的企業、自治体)
・ 客体の組織形態を選ばない(【例】全社、事業部、カンパニー、子会社、支店、営業所、プロジェクトチーム)
③ 意思決定スタイルを選ばない
・ トップダウン型の意思決定に利用していただくこともできる
・ ボトムアップ型の意思決定に利用していただくこともできる
④ 究極の演繹的戦略策定法である
・ 再定義された事業ドメインの根拠をいつでも明確に示すことができる(【例】ゲシュタルト分析シート、AD分析シート)
⑤ 経営戦略論の統一理論(統合モデル)である

この点を、実際の企業導入事例を踏まえて、今回はお話しいたしました。

その後、弊社代表取締役の山口にバトンタッチ。中小企業白書に関する解説に移りました。

終了後のアンケートに

「導入企業の事例をもっと知りたい」

という声をいただきましたので、この点、次回に向けて、改善していきたいと思います。

本日、ご参加くださいました中小企業診断士の皆様。
本当にありがとうございました。

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2010年10月11日

MBA留学生への講演

せっかくの三連休ですが東京は雨。
予定を変更された方も多いのではないでしょうか。

さて、私は・・・と申しますと、昨日は本郷で仕事でした。

本郷と言えば、東京大学

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昨日は、東京大学で、中国からお越しいただいたMBAの学生の皆様向けに、日本の経営について講演して参りました。
何を話そうか、最初に打診をいただいたときにいろいろ迷ったのですが、ご相談申し上げた結果、モチベーション(動機づけ)の話がいいだろうということになりました。
モチーフとして選んだのは、現在、こちらのブログでも連載中の「動機づけ地形図モデル」です。

このモデルは、日本の勝ち組企業が、いかにして従業員の動機づけについて工夫をしているか、その実践的な方法を、論理的に結合し、体系化したものです。
大手銀行やメーカー・サービス業で、実際に導入していただいている手法ですが、中国の方々にお話しするのは始めて。

はたして、マッチしているだろうか・・・多少の不安がよぎります。

この一週間、通訳の方にパワーポイント原稿と講演原稿をお渡しし、いろいろ調整して参りました。

自分の原稿を翻訳・通訳していただくというのは、はじめての経験でした。

当初、

「講演時間は2時間」

と伺っていたのですが、お打ち合わせをしてみて意外な事実が判明。

① 私が1パラグラフ話した後、通訳の方がそれを翻訳するので、実際の講義時間は半分になる。
② 中国の方は、積極的に質問をする方が多いので、質疑応答で30分は確保したい

なるほど。国内で自己完結的に行う講演とは違います。正味の講演時間は45分、通訳で45分、質疑応答で30分。合計120分という構成です。

動機づけ地形図モデルは、実際に理解していただくと、すんなりと受け入れていただくことができる理論ですが、最初は抽象的に感じる方が多いと思います。
まして、それを翻訳・通訳して、理解いただくというのは、難しいのではないか・・・という懸念も残ります。

当日の朝、通訳の皆さんと軽く打ち合わせ。

翻訳が完了したパワーポイント資料も拝見しました。見事に翻訳していただいています。中国語のわからない私でも、漢字でだいたいの内容はわかります。感動です。

101007 日本の経営(日本型部下の動機づけ理論) 講師用スライド 短縮版 (中文)

受講される学生の皆さんの年齢はさまざま。20代の方から私よりも年上の方まで幅広いようです。日本の大手メーカーに20年以上勤務された経験のある方や、中国国内で大きなビジネス・スクールを経営されている方、またはその講師の方(ほとんど、ご同業です)、会社の社長さんもいらっしゃいます。また、各企業の人事担当者の方も8名いらっしゃると伺いました。

朝10:00。講演がスタート。

私が話し、その後、通訳の方が翻訳してくださる。打ち合わせどおりのスタイルです。

しばらくして驚いたのは、ご担当いただいた通訳の方が、ほぼ完全に、動機づけ地形図理論の内容を自分のものとしてお話になっている点です。もちろん、中国語はわからないのですが、パワーポイント画面の指示のしかたと、身振り・手振りで、この理論をほぼ完璧に理解されていることが、はっきりと伝わってまいります。日本語の原稿をお渡ししてからわずか5日間。驚くべき速さと正確さです。
これなら、安心して、私は日本語の講義に集中することができます。ありがたいことです。

私自身、通常よりも大きな身振りと手振りを使って講義を継続。

正味90分間の講義は無事終了いたしました。

いよいよ質疑応答の時間です。
伺っていたとおり、活発な質問が飛び出します。

「この理論はどういう過程で生まれてきたのですか」

「この理論の検証データを提示していただきたい」

「7つの湖のうち、全部をマネジメントできなけえれば、どの湖を中心に深堀すればいいですか」

「深堀すべき湖の具体的水位向上策をもっと伺いたい」

「モチベーションがあがったかどうかを確認する手段を教えていただきたい」

矢継ぎ早に質問が飛び出します。
一つ一つについて、実例やデータをお見せしながら、お答えしましたが、あっというまに30分が経過しました。

最後には拍手まで頂戴いたしました。熱心な聴講に、私のほうこそ、感謝の気持ちでいっぱいです。

ここで、私は退散・・・の予定だったのですが、

食事をいっしょにいかがでしょうか。まだ、質問したい方がいらっしゃるので」

とお誘いいただきました。

「ただし、学食(学生食堂)なのですが、よろしいですか」

「よろこんでごいっしょさせていただきます。」

快諾し、皆さんと学食に移動。東大の学食でランチをとれば、頭がよくなるかもしれません。

日本の製造業、ホンダとトヨタの戦略の違い、日本の不動産の長期的展望、中国のこれからのマネジメント手法など、いろいろなテーマで意見を交換。
申し訳なかったのは、私の隣に掛けてくださった通訳お二人です。ほとんどゆっくり食事できなかったと思います。ありがとうございました。

「海外で講演はなさらないのですか」

「社内で中国語で交渉できる方はいないですか」

「動機づけ地形図モデルについて、うちの会社でも講演を依頼してよいですか」

ビジネスに関するオファーもいただきました。ありがとうございます。
実現すれば、私にとっても貴重な中国進出になります。

最後は、安田講堂赤門で、皆さんと記念撮影。

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本日がツアー最終日と伺っていたので、

「今日はこの後、皆さん、成田ですか?」

と伺うと、

「最後に、早稲田大学を見学してから、成田です」

とのこと。

「おお、それはいいですね。早稲田も東大に負けないくらいいい大学ですよ」

と母校をPRして、笑いをとりながら、バスに乗る皆さんをお見送り。

わずか半日の交流でしたが、結果として、日本型の動機づけ理論について、たいへん興味を持っていただけたようで、ほっといたしました。
しかし、中国と日本は、文化も違えば、価値観も違います。全面的に現代の日本的経営、日本型マネジメントの導入をすることがベスト・ウェイであるとも思えません。中国流の新しいマネジメント・スタイルの確立こそが必要なのでしょう。

受講者のうちのお一人と安田講堂前で雑談する中で伺った、

「中国のマネジメントも指示・命令だけではなく、やわらかいマネジメントに変わらなければならない。動機づけ地形図はそれを具体的に示唆していた」

という一言に、今後の中国の経営・HRMの方向性示唆されているように感じました。

国内での仕事がメインの私ですが、「隣国の友人」との交流は、とてもよい刺激になりました。お声をおかけいただいた企画担当の皆様、翻訳・通訳でお世話になった皆様にも、改めて御礼申し上げます。
機会があれば、是非、再び、参加したいと思います。海外進出も視野に入れて参ります!(笑)

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2010年10月10日

動機づけ地形図モデル(第2回)

では、動機づけ地形図の7つの湖について1つずつ解説していきましょう。

まずは、前回、一番、標高が高いと申し上げた関係性です。

スライド6

(1)       関係性の定義
関係性とは、「関係性」とは、職場における人間関係全般のことをさす概念です。企業によっては、リレーションシップと英訳したり、コミュニケーション(意思疎通)と意訳したりして、用いています。

(2)       関係性の位置づけ
モチベーションの7つの湖の中でもっとも目立たない要因が関係性です。関係性が向上してもすぐにはモチベーションの向上につながらないために軽視されがちなのです。関係性をヒマラヤの頂上にある湖と考え、モチベーションをインド洋と考えていただくと、ヒマラヤの頂上で仮に氷が解けて水となっても、インド洋に流れ込むには一定の時間がかかることがわかります。両者の間には直接の関係はなくても、間接的には、関係性はモチベーションとしっかりと関係しています。

(3)  他の因子との関係
関係性は、後述する自己決定感・承認に影響を及ぼす因子です。
自己決定感とは、自分で職場を切り盛りしているという自覚であり、承認は組織の中で誰かに認められたり、ほめられたりしているという自覚です。
①      自己決定感との関係
関係性が向上すれば(人間関係がよくなれば)、上司や先輩はこれまで以上に重要な仕事を任せてくれるでしょうから、自己決定感は向上します。
②     承認との関係
関係性が向上すれば(人間関係がよくなれば)、今までほめてくれなかった上司や先輩の中にもほめてくれる人が増えてきますから、承認が向上します。動機づけ地形図の中の「関係性→自己決定感」「関係性→承認」の2つの矢印はこれら①②の関係を示しています。

スライド8

<次回に続く>

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2010年10月7日