2012年6月のアーカイブ

有機ELの時代

マスコミが伝えるPanasonicとSONYの提携
大歓迎です。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD250JK_V20C12A6TJ2000/?dg=1

以前にも、SONYとニコンが手を結んだら、昭和世代の人々にとっては感動のタッグだと書いたことがありました。
実現したのは、永遠のライバル…PanasonicとSONYの大連合。
それも、物流部門でちょっと協力する…というケチなものではなく、メイン製品であり、両者の「顔」であるテレビ事業での提携だというから驚きです。
現在、Panasonicはプラズマディスプレイ・テレビを、SONYは液晶テレビを製造・販売していますが、今後は、有機ELテレビを開発するといいますから、これまた大歓迎です。

2007年、SONYは世界初の民生用有機ELテレビを売り出しました。
XEL-1という型番の商品。

http://www.sony.jp/oel/

実物を見に行きましたが、本当にすばらしかった!
何がすごいかというと画質とボディの薄さ。

まずは、画質
レティナもびっくり…「これがテレビか?」と思うような高密度な映像で、液晶のような「遅れ」や「にじみ」も一切なし。
写真を見ているような感じでした。
これは体験した方でないとわかりません。
はじめて、3Dテレビをメガネをかけて視聴した時、なんの感動もなかった私ですが、有機ELの画像の美しさにはため息が出ました。

次にボディの薄さ
液晶部分の厚さはわずか3ミリ。
http://www.sony.jp/oel/products/XEL-1/feature_2.html
これは薄い!
液晶テレビやプラズマテレビが出た時、「薄型テレビ」「壁掛けテレビ」とよばれましたが、実際に壁掛している人はいません。
重要的に無理。特別のアダプターを取り付けるなど、補強工事を行わなかい限りは、壁に取り付けることはできまえん。
しかし、3ミリとなれば話は別です。絵画や症状や時計のように、壁にすいっと取り付けることができるかもしれません。

価格ドットコムでの評価も高かった…
http://review.kakaku.com/review/20406010593/

もっとも、さすがは第一世代。
10インチで20万円(今なら最新のMacBook Proが買える値段笑)では、手も足も出ず。
第二世代、第三世代になり、15インチを超えたら購入しようと、虎視眈々と狙っていたわけです。

ところが、2010年に入って、当該テレビは突然生産を終了。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20100216_349284.html
当然後継機種が出るものだと思っていたら、何と事業撤退…
実に残念でした…_| ̄|○

ところが、このところ、にわかに、PanasonicとSONYが提携し、有機EL開発に力を注ぐというじゃあないですか。
朗報、朗報、ビッグニュース!
これはうれしいですね。
日本のものづくりをリードしてきたトップメーカー同士の提携。
期待するところ大です。

高付加価値テレビがあっという間にコモディティ化する現在のマーケット。
家電メーカーの経営は想像以上に苦しいものがあると思います。
テレビを作れば作るほど赤字になる時代が来るとは思ってもいませんでした。
マーケティングでいうところの、「顧客機能の頭打ち」…つまり、ハイビジョン化により、普通に動画を見る場合に限定すれば、ほぼ理想的な高画質が実現した現在、画質競争はほぼ意味がなくなってしまいました。
そこで登場したのが、3D化。
でも、これはやはり、「キワモノ」ではないでしょうか。
普通にニュースを見るときに、アナウンサーが立体でなければならない理由はありません。
メガネを付けるスタイルはまず普及するまいと思いましたが、それ以外の技術をもってしても、世の中全体に普及するのは難しいと思います。

では、今後のテレビはどんな方向に向かうのか?
薄型化はもっともっと進んでしかるべきでしょう。
厚さ3ミリの20〜50インチクラスのテレビが実現すれば、移動は楽ですから、自宅や会社の会議室でも自由に持ち運び出来るようになります。
また、動画画質としては現在のハイビジョンはひとつの到達点だと思いますが、静止画やPDFファイルを視聴するためには、まだまだ画質は進すべきです。ハイビジョン画質など、いわば200万画素にすぎませんからね。だから、Appleのレティナに皆さんが感動し、興奮するわけです。
有機EL版のレティナが出てきたら、すごいでしょうね(@_@)
そうなると、テレビは、紙の代替品、書籍の代替品、雑誌の代替品、写真閲覧ツール、ホワイトボードの代替品としての機能を持つことができるようになります。
液晶と違って、有機ELは目にやさしいですしね。長時間文字を読んでも疲れないと思います。

マスコミの情報によれば、Panasonic、SONY連合が、有機ELについて一定の成果をあげるのは、2013年中だといいます。
日本人としてわくわくします。
待ち遠しいですね。

2012年6月26日

ScanSnapS1500を用いた文書・書籍・名刺管理法

皆さん、こんにちは。

今日は、私の友人たちの間でけっこう議論になっている富士通の「神・スキャナー」、ScanSnapS1500を用いた文書、書籍、名刺の管理法について解説します。

すでにおやりになっている方も多いと思いますが、私自身、やり方をだいぶん改めましたので、参考にしてください。特に、Evernoteと連携した名刺管理については、「できる」という方と「いうまくいかない」という方がいらっしゃり、私自身、実験してみたくなったわけです。

今まで、名刺はPCF化して、MacのSpotlightで検索していた私ですが、「街角で立ったままではMacが使えない」わけであり、その際、iPhoneやiPadを使って、つまり、EvernoteやDropboxを使って検索しなければならないわけですが、

① iPhone・iPad版のEvernoteはPDFの検索がうまくできない(いきなりの全文検索ができません。ファイルを指定すれば中は見られるのですが…)

② iPhone・iPad版のDropboxはPDFの検索がうまくできない(検索の場合「3文字以上」という指定があります。人名は2文字が多いですから、これでは使い物になりません)

という問題にぶち当たり、

やはり、宮脇さん(友人のコンサルタント)の推薦するとおり、

「ScanSnapでスキャンしJPEGとして一枚一枚ファイル化し、Evernoteに送り、Evernote上でOCRをかける

という方法をしばらく併用することにしました(もっとも、Evernoteという特定のサービスへの依存だけ…というのは怖いので、従来行なってきたPDF化もしばらく併用します。二度手間ですが笑)。

名刺管理については最後に述べることにいたしまして、まずは、文書と書籍のスキャンからお話しましょう。

 

1.ScanSnapの読み取り設定機能

実はScanSnapには「読み取り設定」という機能があります。
たとえば、カラー文書と白黒文書では、スキャンの設定が当然異なります。名刺と書籍でも違います。

それを毎回いちいち設定変更するのは面倒臭いものです。また、設定を頻繁に変更していると、同じシリーズの書籍でも、誤って前回とは違う設定で読み込んでしまう…というミスや不統一が生じる可能性もあります。

しかし、予め、読み取り設定を指定しておけば、名詞の場合はこの設定、文書ファイルの場合にはこの設定、書籍の場合にはこの設定…と、簡単に使い分けることができます。

以下は、私の読み取り設定リストです。現在は、次の6種類を使い分けています。

では、このあとは、各々の設定について、細かく見て行きましょう。

 

2.白黒文書のPDF化

ビジネス・プライベートを問わず、一番頻度が高いのがこの設定です。

(1) アプリ選択
スキャンした後に自動的に立ち上がるアプリの指定です。この設定では、私は特にアプリを指定していません。確認したい方は、AdobeAcrobatやMacのデフォルトアプリであるプレビューなどを指定しておけばよいでしょう。

 

(2) 保存先
スキャンした文書の保存先です。私は文書を分類しない人間なので、すべて「過去の文書」に流し込みます。Windowsをお使いの方であれば、「My Documents」など、フォルダを指定すればよいでしょう。

 

(3) 読み取りモード

① 画質の選択
画質については、いろいろ試した結果、写真集や画集を保存するのではない限り、「スーパーファイン」で十分だと思います。ScanSnapにはこの上の「エクセレント」という画質もあるのですが、確かに綺麗に撮れるのですが、これですと、読み取り速度がかなり遅くなりますし、データのサイズも大きくなります。Evernote(有料版)の最大画像サイズが50MBですから、Evernoteに保存を考えている方は、ファイルのサイズには十分注意してください。一方、Dropbox(有料版)への保存を考えている方は、ファイルのサイズの制限はありません。しかし、それでも、あまりに大きなファイルは、同期に時間がかかりますので、できれば避けたいものです。

② カラーモードの選択
一番ファイルサイズが小さくなるのは「白黒」であり、私も長らくこれを使ってきたのですが、「グレー」にしたほうがはるかにきれいで見やすいです。ファイルサイズは倍くらいになってしまうのですが(それでもカラーよりは小さい)、最近は「グレー」に固定しています。

③ 読み取り面の設定
「両面読み取り」にしていますが、スキャンすべき文書が片面の場合、「片面読み取り」に手動で変更しています。間違えて、両面読み取りでスキャンした後であっても、AdobeAcrobatなどで、PDFファイルは加工できますから、要らないページは削除可能です。

(4) ファイル形式

当然、PDFを指定しています。また、ビジネス文書の場合、概ね10枚以内の資料が多いので、この時点でOCRまでかけてしまいたいので、「検索可能なPDFにします」はオンにしてあります。概ね1分くらいで終わります。

(5) 原稿
他の設定の場合も含め、ほぼ「サイズ自動検出」のまま固定です。

(6) ファイルサイズ
他の設定の場合も含め、ほぼ一番左側に固定しています。圧縮率が弱く、ファイルサイズが大きくなる設定です。

 

 

3.カラー文書のPDF化

チラシやパンフレット、カラー印刷されたグラフ等の資料をスキャンする場合に使います。

(1) アプリ選択
スキャンした後に自動的に立ち上がるアプリの指定です。この設定では、私は特にアプリを指定していません。確認したい方は、AdobeAcrobatやMacのデフォルトアプリであるプレビューなどを指定しておけばよいでしょう。

(2) 保存先
スキャンした文書の保存先です。私は文書を分類しない人間なので、すべて「過去の文書」に流し込みます。Windowsをお使いの方であれば、「My Documents」など、フォルダを指定すればよいでしょう。

(3) 読み取りモード

① 画質の選択
画質については、いろいろ試した結果、写真集や画集を保存するのではない限り、「スーパーファイン」で十分だと思います。

② カラーモードの選択
当然、「カラー」に固定しています。

③ 読み取り面の設定
「両面読み取り」にしていますが、スキャンすべき文書が片面の場合、「片面読み取り」に手動で変更しています。間違えて、両面読み取りでスキャンした後であっても、AdobeAcrobatなどで、PDFファイルは加工できますから、要らないページは削除可能です。

(4) ファイル形式
当然、PDFを指定しています。また、ビジネス文書の場合、概ね10枚以内の資料が多いので、この時点でOCRまでかけてしまいたいので、「検索可能なPDFにします」はオンにしてあります。概ね1分くらいで終わります。

(5) 原稿
他の設定の場合も含め、ほぼ「サイズ自動検出」のまま固定です。

(6) ファイルサイズ
他の設定の場合も含め、ほぼ一番左側に固定しています。圧縮率が弱く、ファイルサイズが大きくなる設定です。

4.白黒書籍のPDF化

続いて、書籍の「自炊」についてです。
ほとんどのビジネス書は白黒ですから、この設定を使用します。

(1) アプリ選択
スキャンした後に自動的に立ち上がるアプリの指定です。この設定では、私は特にアプリを指定していません。確認したい方は、AdobeAcrobatやMacのデフォルトアプリであるプレビューなどを指定しておけばよいでしょう。

(2) 保存先
スキャンした文書の保存先です。私は、書籍は文書と分けているので、「書籍」というフォルダにデータを流し込んでいます。

(3) 読み取りモード

① 画質の選択
画質については、いろいろ試した結果、写真集や画集を保存するのではない限り、書類の場合と同様に「スーパーファイン」で十分だと思います。

② カラーモードの選択
一番ファイルサイズが小さくなるのは「白黒」であり、私も長らくこれを使ってきたのですが、「グレー」にしたほうがはるかにきれいで見やすいです。ファイルサイズは倍くらいになってしまうのですが(それでもカラーよりは小さい)、最近は「グレー」に固定しています。

③ 読み取り面の設定
書籍ですので、「両面読み取り」で固定しています。

(4) ファイル形式
当然、PDFを指定しています。書籍の場合、この時点で、OCRをかけると、膨大な時間がかかりますので、私は、「検索可能なPDFにします」オフにして、ファイルができあがった後で、Adobe AcrobatでOCRをかけています。書類を処理する場合との違いです。もちろん、Acrobatをお持ちでない場合等、この場でOCRをかけることはできます。ただし、次の書籍をすぐスキャンすることはできません。ScanSnapでは、スキャンとOCRを同時にはできないようです。

(5) 原稿
他の設定の場合も含め、ほぼ「サイズ自動検出」のまま固定です。

(6) ファイルサイズ
他の設定の場合も含め、ほぼ一番左側に固定しています。圧縮率が弱く、ファイルサイズが大きくなる設定です。

5.カラー書籍のPDF化

マーケティングや歴史に関する書籍はカラー写真を含む場合が多く、資格関連書籍も2〜3色刷のものが増えています。その場合には、この設定を使います。

(1) アプリ選択
スキャンした後に自動的に立ち上がるアプリの指定です。この設定では、私は特にアプリを指定していません。確認したい方は、AdobeAcrobatやMacのデフォルトアプリであるプレビューなどを指定しておけばよいでしょう。

(2) 保存先
スキャンした文書の保存先です。私は、書籍は文書と分けているので、「書籍」というフォルダにデータを流し込んでいます。

(3) 読み取りモード

① 画質の選択
画質については、いろいろ試した結果、写真集や画集を保存するのではない限り、「スーパーファイン」で十分だと思います。

② カラーモードの選択
当然、「カラー」に固定しています。

③ 読み取り面の設定
書籍ですので、「両面読み取り」で固定しています。

(4) ファイル形式
当然、PDFを指定しています。書籍の場合、この時点で、OCRをかけると、膨大な時間がかかりますので、私は、「検索可能なPDFにします」はオフにして、ファイルができあがった後で、Adobe AcrobatでOCRをかけています。書類を処理する場合との違いです。もちろん、Acrobatをお持ちでない場合等、この場でOCRをかけることはできます。ただし、次の書籍をすぐスキャンすることはできません。ScanSnapでは、スキャンとOCRを同時にはできないようです。

(5) 原稿
他の設定の場合も含め、ほぼ「サイズ自動検出」のまま固定です。

(6) ファイルサイズ
他の設定の場合も含め、ほぼ一番左側に固定しています。圧縮率が弱く、ファイルサイズが大きくなる設定です。

 

6.名詞のPDF化

名刺をスキャンする場合に使います。
名詞をPDF化し、OCRをかけておけば、PCやMacで全文検索することができ、たいへん便利です。特に、Macの場合、Spotlight機能を用いて、ほぼ確実に、探している名刺を10秒以内に見つけることができます。

(1) アプリ選択
スキャンした後に自動的に立ち上がるアプリの指定です。私は、ざっと確認したいので、AdobeAcrobatを指定しています。

(2) 保存先
スキャンした文書の保存先です。私は、名刺は文書と分けているので、「名刺」というフォルダにデータを流し込んでいます。

(3) 読み取りモード

① 画質の選択
画質については、いろいろ試した結果、写真集や画集を保存するのではない限り、「スーパーファイン」で十分だと思います。

② カラーモードの選択
当然、「カラー」に固定しています。

③ 読み取り面の設定
名刺ですので、「両面読み取り」にしています。

(4) ファイル形式
当然、PDFを指定しています。また、名刺の場合、この時点でOCRまでかけてしまいたいので、「検索可能なPDFにします」はオンにしてあります。概ね1分くらいで終わります。

(5) 原稿
他の設定の場合も含め、ほぼ「サイズ自動検出」のまま固定です。

(6) ファイルサイズ
他の設定の場合も含め、ほぼ一番左側に固定しています。圧縮率が弱く、ファイルサイズが大きくなる設定です。

 

7.名刺のJPG化

宮脇さんに教えていただいた方式です。前述した通り、最近導入しました。「6」と併用しています。
名刺を、ScanSnapでスキャンし、JPEGとして一枚一枚ファイル化し、Evernoteに送り、Evernote上でOCRをかけておけば、PCやMacのみならず、iPhoneやAndroidでも、全文検索できて便利です。MacにおけるSpotlight機能同様に、ほぼ確実に、探している名刺を10秒以内に見つけることができます。
欠点は、しばらく、Evernoteを使っていない端末の場合、Evernoteを立ち上げると、「同期」に時間がかかってしまう点です。その場合、MacのSpotlight機能で探すほうが早いでしょう。
Evernoteという特定のサービスへの依存だけ…というのは怖いので、従来行なってきたPDF化(6)もしばらく併用します。二度手間ですが笑

(1) アプリ選択
スキャンした後に自動的に立ち上がるアプリの指定です。この場合には、Evernoteに送信しますので、Evernoteを新規アプリとして登録し、これが立ち上がるように設定しておきます。

 

 

(2) 保存先
スキャンした文書の保存先です。私は、Evernoteに送信が終われば、削除してしまうファイルなので、「名刺の写真」というフォルダを作り、一時的に、ここに流し込んでおきます。

 

(3) 読み取りモード

① 画質の選択
画質については、いろいろ試した結果、写真集や画集を保存するのではない限り、「スーパーファイン」で十分だと思います。

② カラーモードの選択
当然、「カラー」に固定しています。

③ 読み取り面の設定
名刺ですので、「両面読み取り」にしています。

(4) ファイル形式
当然、JPGを指定しています。JPGの場合、ScanSnap上では、OCR化はできません。「検索可能なPDFにします」のオン・オフ指定はできませんEvernoteに送って、Evernote上で、OCRをかけてもらいます(Evernoteに送りさえすれば、向こうで自動でやってくれます)。

(5) 原稿
他の設定の場合も含め、ほぼ「サイズ自動検出」のまま固定です。

(6) ファイルサイズ
他の設定の場合も含め、ほぼ一番左側に固定しています。圧縮率が弱く、ファイルサイズが大きくなる設定です。

 

 

いかがだったでしょうか。

どんな設定にすればよいか、悩まれている方は参考にしてみてください。

一度設定してしまえば、後は、都度、スキャンする「紙」の種類に応じて、設定を選ぶだけで済みます。

2012年6月23日

「見えざる非知的労働」圧縮の論理

昨日は、親しい友人たちと、「激突! デジタル対アナログ」というテーマで、さまざまな角度から話しあってきました。昼は水道橋(弊社)で、夜は、コクヨ様のご好意で、渋谷ヒカリエの会議室MOVをお借りしての開催となりました。

http://www.shibuyamov.com/

 

ダイレクトに自分を取り巻くデジ・アナ環境の変化を語る方もいらっしゃれば、どうしてもアナログでなければならない分野を論じた方もいらっしゃいます。
スケジュール管理とタスク管理には特に注目が集まりました。新聞や雑誌のあり方、自炊と電子書籍の今後、著作権の問題や法教育にまで話が及んだこともありました。

 

私自身、デジタル化を進めるのは、別に「新しもの好きだから」というわけでは決してありません。
自らの生活をデジタル化していくと、どのような功罪が生まれてくるのか、自分自身を実験台にしているというのが実情です(その結果が、私の場合、しゃべるネタになりますので笑)。

さてさて。
FacebookやTwitterを通じて、この1年間で非常に多くの方々とやりとりをするようになりました。

私の友人の特徴は、専門家や経営者の方が多い点。前向きで、新しいことにチャレンジするのが大好きな方が大半です。
およそ、ITやクラウド、SNSというのは、不確定なものが多く、一番安全なのは、

「一切使わないこと」

であり、おそらくそういう生き方もあると思います。

「はじめて、銀行制度という考え方が世の中に出た時、多くの方は不安だったに違いない」

と発言してくれた方もいらっしゃいます。クレジットカードや保険制度も初めて世に登場した場合には相当に「怪しい」と思われたはずですね。
現在、SNSやクラウドは、ちょうどその「洗礼」を受けている時期なのでしょうね。淘汰されるか、定着するか。
経営学者のクリステンセンによれば、およそ、モノ(製品でもサービスでも)が普及する過程では、はじめに、機能競争が起こり、次に信頼性競争が起こり、次に利便性競争が起こり、最後に価格競争が発生します。
SNSやクラウドは、今や機能競争から信頼性競争に競争の性質が変わりつつある過渡期なのかもしれません。

前述したとおり、信頼性に問題がある以上、

「一切使わない」

という選択肢もあるかもしれません。

しかし、人生で与えられた時間というのは有限なものであり、年齢とともに、その「壁」が大きく感じられるようになります。

あたりまえのことながら、クラウドやSNSの素晴らしいところは、ローコストで、無駄な時間をサクッと排除してくれるです。
検索・編集・同期・調整・共有といったビジネス上の情報のやりとりにおけるさまざまな無駄な時間(つまらない作業)をとことん低減してくれる点がすばらしいわけです。
かつては、図書館にいって、文献を当たり、コピーをとったり、転記をしたりする作業そのものも、

「知的労働」

と考えられていました。
しかし、実際には、こんな作業は知的でもなんでもありません。
馬鹿馬鹿しいほどにつまらないことに時間をかけなければならなかったのです(あ、もちろん、こういった作業を通じて、仲間意識が醸成されたり、思わぬ素晴らしい情報を発見したり‥というプラス面もあると思いますが、総じて、もったいない時間の使い方だったのだろうという意味です)。

ちなみに、

「知的労働の生産性を高める方法」

をテーマに仮にディスカッションを行ったとすると、依然として、多くの方は、

「短時間でたくさんのアイディアが生まれる方法」

を追求したがります。
確かに間違ってはいませんし、私自身、そのための方法論については、いろいろな方にお話しています。

しかし、それ以上に必要なことは

「アイディアを創造するための時間をできるだけ多く確保する方法」

を見つけることです。
言い方をかえれば、

「つまらない仕事(非知的労働)に必要な時間を圧縮し、考える仕事(知的労働)に充当できる時間を増やそう」

ということです。

以前に、このブログでも、GoogleIMEのお話をしたことがあります。
一発で

「おジャ魔女どれみ」

が出てくる、私にとっては魔法のIME(Input Method Editor;PCなどの情報機器で、文字入力を補助するソフトウェア)です。Googleのユーザーが過去に検索した単語が巨大なデータベースとなり、それをもとに、一番多用される用語から優先的に変換候補として示してくれます。

「MacBook Air」
「ダルビッシュ有」
「iOS」
「ドラえもん」
「サザエさん」
「仮面ライダー龍騎」
「AKB48」

いずれもさくっと出てきます。
集合知の好例です。
単語登録など不要です。唯一不思議なのは、

「あっぷる」

と打っても

「Apple」

が出てこない点笑 なぜなのでしょう??

さてさて。
こういった入力ソフトウェア1つをとっても、工程管理をつきつめていくと、非知的労働時間を圧縮できる可能性があるわけです。

ところが、多くの方が、

「入力や変換は手間がかかるのが当たりまえ」

と考え、あきらめ、がまんして、使いにくいIMEをそのまま使っていることが多いのです。
Macを買うとついてくる標準のIME「ことえり」は、最悪のIMEです。
Macを購入した友人に、

「最初に何をすればいいか?」

と問われれば、間違いなく、

「GooglIMEを導入してくれ。そうでないと、君のMacのそこから先の調整をしてあげる気にならないから」

と答えます笑。
というわけで、日本林檎党(Macを愛する雑サロ仲間集団)の諸氏は、私に調整の依頼したり、Lectureを希望されたりする際には、まず、ご自身のMacにGoogleIMEを入れてから…にしてください笑

このGoogleIME。現在では複数の端末(PC)で使用される場合、1つの機器で登録したユーザー辞書の情報(例えば、「たけながまこと」⇒「竹永亮」という単語登録情報)は、同期され、別の端末でも以後、同じ辞書が使えるようになります。難しい読み方の友人の名前など、億劫がらずに一度登録しておけば、半永久的に、自分の辞書として使うことができるのです。

入力ソフトウェア1つとっても、これだけの技術革新(イノベーション)があります。
小さなことですが、入力作業は、日々ビジネスをしていれば、膨大な量が発生しますから、そのストレスから解放されれば、心理的にも楽になりますし、物理的にも相当な「非知的労働時間の圧縮」につながります。

「ファイル管理はフォルダを生成し、そこに入れる」

という多くの方が信じている習慣も、実は逆転の発想を持ったほうが、ファイル整理は楽になります。
以前にもご紹介したとおり、ファイルを分類せず、

「寿限無式ファイル命名法」

に従って、長いファイル名をつけておけば、今時のPCであれば、一発で絞込み、検索することができます。

「複数の人間でWordで執筆する場合には、最後に誰かが箇条番号の一大整理を行う必要がある」

というのも迷信。
Wordのアウトライン機能、スタイル機能、テンプレート機能を使って、作成する文書を、はじめから、

「完全階層構造」

にしておけば、誰とどんな分業型執筆を行なっても、最後の取りまとめ担当者の仕事はかなり楽になります。
企画書を書く際にも、紙にグランドデザインやイメージ、ドラフトを描いてから書かずとも、文字情報であれば、Wordのアウトライン機能をスタイル機能と連携させることで、かなり自由に、柔軟に、作成することができます(Wordのアウトライン・プロセッサー機能)。同時に、「清書」「箇条番号整理」「フォント・スタイルの統一」といった、私から申し上げれば「くだらない作業」からは一生涯解放されます。

「名刺はスキャンして、名刺管理アプリにインプットし、OCRの誤読を直して、データベースを作り続けるべきだ」

これも固定観念。

「名刺は、スキャンして、PDF化し、OCRをかける等の処理としたら、ただHardDiskに放り込んでおけば良い。概ね後から検索できる」

と考えたほうがよほど効率的。

「年賀状の住所が自動印刷できない」

というご指摘をされる方もいらっしゃるだろうが、すべての名刺についての完全なデータベースを日々の忙しい中で作る作業よりも、12月になってから、送るべき相手の住所録リストを作るほうがずっと楽です(総作業量は少ない)。そもそも、年賀状という習慣がいつまで続くのかわかりませんし笑

 

バーニーという経営学者が、

「企業には、内部の人間(経営者や従業員)には認識できない『見えざる資産(Invisible Asset) 』がある」

と唱えています。
全くの同感です。
逆に、

「私たちのビジネスには、自分では認識できない『見えざる非知的労働(Invisible Non-intellectual Labor)』がある」

ということができるのです。

知的労働の時間自体を圧縮し、生産性を高める前に、見えざる非知的労働の時間を圧縮し、知的労働に充当できる時間を確保すること…知的生産性を高めるためには、この決意と努力が必要なのです。
最近の、ビジネス雑談サロンは、この決意と努力の場となりつつあります笑

2012年6月6日