2012年7月のアーカイブ

いろいろ実験! Evernote徹底研究

皆さん、おはようございます。
昨日は、雑サロにて、Evernoteについてのさまざまな実験を行いました。

全部が全部わかったわけではないのですが、昨日学んだことを、メモにしておきましたので、参考にしてください。

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1.Evernoteの概要
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http://evernote.com/intl/jp/

Evernoteとは、ノートを取るようにさまざまな情報を蓄積するソフトウェアないしウェブサービスである。
パソコンやスマートフォン、一部携帯電話で使用可能なの個人用ドキュメント管理システムである。
今や代表的なクラウド・コンピューティング・サービスであり、1台の端末で入力した情報は、数秒から数分後には他の端末でも自在に読むことができる。

2.記録できる情報
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概ね、文字情報(文字ノート)、音声情報(音声ノート)、写真(写真ノート)、Webクリッピング(Web頁をクリップしたノート)の4つの情報の記録に使っている方が多い。
有料のPC版の場合、記録できるファイル形式の幅が広く、動画情報なども記録可能。
無料版はこの点やや制限があるが、Word、Excel、PowerPoint、PDFファイルは扱うことが可能である。
もっとも、これらのビジネス文書ファイルは、個人や法人のハードディスク(Dropboxを含む)で管理されることが多く、容量制限の厳しい(たとえ有料版であっても)Evernoteでは大きなサイズのファイルを扱うことには限界がある(容量制限については後述)。
メモ取りアプリと割り切ったほうがよいというユーザーが多い。
※無料版・有料版の正式名称は、それぞれスタンダード版・プレミアム版。

3.ノートブックとタグ
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Evernoteの参考書・ノウハウ書籍がこぞって紹介しているのが、ノートブック機能とタグ機能である。

(1) ノートブック機能
ノートブック機能とは、パソコンのハードディスクに置き換えれば、フォルダのようなものである。つまり、各ノートを分類する機能である。

私自身は分類が嫌いな人間なので、今やノートブックは基本的に2つしか作っていない。
「Business」と「Private」だけである。
それ以外の分類はしようと思ってもうまくいかないので、ノートブック機能は最小限にとどめている。
※ 「中小企業診断士」「企業研修」というノートブックを作っていた場合、「○○銀行での中小企業診断士研修」に関するノートを作成した場合、分類できなくなるからである。

いつでも、キーワードと日時の両面から、必要な情報にはアクセスできるので、「分類」の必要はほとんどない…というのが、Evernoteの特徴であろう。したがって、「ノートブック」による情報分類は必要最低限でよいと考える。

(2) タグ機能
1つのノートに対し、いろいろなタグをつけておける…という機能である。
Evernoteの一大特徴といわれる機能だが、これまた現在はほとんど使っていない。
マルチ・ワードによる全文検索がかけられるのであれば、特に設定する必要はないからである。
歩きながら、音声でメモをノートをつくり保存するだけならどうということはないが、そのノートにタイトルをつけたり、タグをつけたり、…という作業は面倒なだけである。
というわけで、個人的には、ヘビーユーザーほどタグ機能は使わなくなるのではないか、と感じている。

4.OCR機能と検索方法
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Evernoteを愛用するようになると蓄積されるメモの量はあっという間にとてつもない量になる。
2年ほど使用している私の場合で、Evernoteのノート数(メモ数)はおよそ7,000。
ハードディスクに入っている通常のExcelやWordファイルの合計数が20年分でおよそ14,000であるから、とてつもない速度で増えていることがわかる。

「これだけたくさんのノート(メモ)があったのでは、検索がたいへんではないか?」

という方もいらっしゃると思うが、この点は問題ない。

Evernoteには強力なOCR機能がある。
手書き文字、板書、レシート、書類、名刺、新聞記事等、およそ文字の書かれているものを写真にとって保存さえすれば、数分から十数分で「勝手に」OCRをかけてくれるため、その後は自由に検索が可能になる。
マルチ単語検索に対応しているので、「経営教育」「千代田区」「竹永」で、私の名刺には容易にアクセスすることが可能になる。

不完全ながら、日本語文字の手書きについてもOCRをかけてくれる。
この機能は以前にもご紹介しているが相当助かる。
議事録などを板書などする際には、重要なキーワードやタイトル、日付、会議の参加者の名前などだけは「丁寧に」描いてから撮影し、Evernoteに保存しておけば、その議事録板書の検索はしやすくなる。

たとえ、文字検索がは不可能な場合でも(【例】文字がきたなくて、認識されない等)、手帳やカレンダーでその会議なり打ち合わせの日程がわかれば、日時により検索をかけ、同様にその議事録板書の写真には数分以内にアクセス可能である。

一方で、昨今のスマフォ等における音声入力の急激な進歩により、音声ノートの保存(音声メモの保存)の価値は相対的に低下している。
理由は簡単。
音声ノート(音声メモ)は後から「検索」できないために、情報の山に埋もれてしまうからである。
私自身、数百の音声ノートを保存してあるが、必要な音声ノートに到達するためには、1つ1つのノートを開いて聞いていくしかない。
文字と違ってOCRがかかっていないためである。
もちろん、1つ1つの音声ノートに名前をつける、タグをつけるといったことをやっていれば別であるが、そもそも音声ノートを記録する状況というのは、両手がふさがっているなど、文字が打てない場合の緊急避難が多いので、「名無しの権兵衛」が前提となることが圧倒的に多い。

音声ノート(音声メモ)自体の価値は相対的に低下しているが、一方で、音声入力による文字ノート(テキスト・ファイル)の利便性は向上している。
たとえば、iPhone4Sの場合、3行程度の簡単な文章の場合、ゆっくりと正確に発音すれば、固有名詞を除き、ほぼ確実に変換してくれる。
何度も紹介しているサービスだが、恐るべき入力方法であり、Evernoteとの併用の効果は絶大である。
アイディアを「忘れる」確率は一気に低下した。

このように、Evernoteの検索機能は現在の他のアプリやサービスと比較しても第一級のものである。
しかし、Evernoteはアイディア創造システムではないので、検索して抽出した情報をどう活用し、そこから何を生み出すのかは、使用している「人間」の問題になる。
ここから先はEvernoteは助けてはくれないのである笑

5.スタンダード版とプレミアム版
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Evernoteには、無料サービスと有料サービスとがある。
http://evernote.com/intl/jp/premium/

スタンダード版(無料版)では毎月のアップロード容量制限(サービスを利用するにあたっての保存容量そのものに制限はない)が 60MB であり、 同期されるファイル形式に制限がある。
月額 450 円または年額 4000 円(ドル決済も可能)の会費を支払うことでプレミアム会員となり、毎月のアップロード制限容量が 1GB まで拡大される。
データがSSLで強化され、全てのファイル形式が同期されるようにもなる。
さらに、オプションでアップロード容量を ¥450/GB で追加購入することもできるようになる。

どちらの会員にも容量制限はある。
1つのノートの最大サイズは無料アカウントで25MB、プレミアムアカウントで50MBまでであり、このサイズを超えるファイルは保存できない。

なお、調べてみると、次のような制限もある。

① プレミアムアカウントで有効となるPDFファイルの自動OCRについては、1ファイル25MB、ページ数100ページ以下のファイルのみがインデックスが作成されて検索対象となる。ファイルサイズが25MB~50MB、もしくは100ページを超えるPDFファイルの場合はユーザー自らがOCRをかけてアップロードすれば検索可能となる。
② 1ユーザの最大ノート数が10万ノートである(プレミアムアカウントであっても無限に保存できるわけではない)

 
5.名刺管理への利用者の急増
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多くの情報がインターネットで検索できる時代、個人でデータを保存すること自体の価値も相対的に低下している。
EvernoteのWebクリッピング機能はすばらしいが、わざわざクリッピングしなくても、そのページがネット上から消されない限りはアクセスが可能であり、

「クリップしたけど、あんまりあとから見ないなあ」

という声も多い。

一方で、ネットでは絶対に手に入らない情報、たとえば、会議の議事録の板書映像の情報や名刺の情報においては、Evernoteの価値は高い。
特に、名刺管理アプリとしてEvernoteを使っている方は、私も周りにも非常に多い。

Evernoteの場合、JPGで記録しておけば、自動的にOCRをかけてくれる。
名刺の場合も、写真にとり、JPGで記録するのがベストである。

JPG化して、

「1名刺1写真1ノート」

として記録しておけば、外出先などでも実にスムーズに当該人物の名刺を発見できる。
さきほどの「経営教育」「竹永」での検索を思い出していただきたい。

異動などにより、1人の名刺がどんどん変わる場合もあるが、その場合、一番直近の名刺を見れば済む話であり、昔の名刺データを整理するとか、捨てるといった作業も事実上不要である。

カメラではなく、スキャナーで数十枚の名刺を一気にスキャンする場合でも、JPG化するのがベストである。
PDFで保存すると、その時読み込んだ名刺全体で1ファイルとなってしまうため、

「1名刺1写真1ノート」

の形にならないからである。
加えて、OCRはスキャナーかパソコン側に依存する形になるため、Evernoteに保存するまでの工程が複雑になってしまう。

「何も考えずに写真にとって保存すれば、あとはEvernoteがなんとかしてくれる」

という発想を持つと、とても楽になる。

ただし、Evernoteにはいわゆるデータベース・アプリが持っているような高度な検索機能はない。
あくまでも、外出中に、次に伺うクライアントの住所が知りたくなって、以前に交換した名詞を「読みたい」という場合に、その名詞の情報にアクセスできる…という程度のものでしかない。

「年賀状を送りたい相手の住所録を作りたい」

ということであれば、それはそれで別管理が必要である。
たとえば、年間1,000枚の名刺をもらうからと言って、1,000枚全員に年賀状を出すわけではないだろうから、そのうちの特に重要な150枚を人為的に抽出し、別途、名刺管理アプリを使うなどして、住所録を作成する必要がある…ということである。

iPhoneやiPadを使っている方であれば、ワールドカードモバイルというアプリが人気だし、パソコンやMacにはすでに山のように名刺管理アプリがあるので、少数の重要な相手に対しては別管理すればよいだろう。あらゆる名刺管理アプリに言えることだが、OCRの認識率はたかが知れていて、必ず人為的にそれを修正する作業が発生する。
(現在なら、カイバーをはじめるいくつかの解決策があるにせよ、高価だし、まだまだ一般的ではない。)

1,000人全員にこういった細かい住所録作りをするのは、パレート分析的に考えても「ムダ」であり、ざっくりと写真だけとっておき、Evernoteに収める…以上! で終わらせるのが健全であり、簡単だろうという話である。

6.PDFファイル内の文字情報の検索
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「無料会員でも、PDFファイル内の文字も認識されますよ」

という方が多いので調べてみた。

Evernote側が、PDF内の文字を認識するのは、そのPDFファイルが、あらかじめタイプされたテキストであったり、スキャナーやパソコン側でOCRをかけた情報を持っている場合だけのようである。おそらくは、そういうPDFファイルについて

「文字が認識される」

と思われていたのだろう。

逆に言えば、PDFファイルの画像部分の文字については、Evernoteでは認識されない(有料版でも無理なはずだが、これはまだ実験していないm(__)m)。
たとえば、紙の書類をスキャンして、特にOCRをかけずに、PDFをノートに保存した場合、Evernoteは、そのノートに書かれている文字を認識することはできない。
よって、検索することもできない。
Evernote側がOCRをかけてくれるのは、あくまでもJPGについてのみなのである。

私達の通常の感覚で言えば、文字検索しやすいのはPDFであり、JPGは役に立たないことが多い…のだが、Evernoteの場合は逆になる。

したがって、後々のことを考えると、

「文字が入った写真をとったらEvernoteに保存しよう」

が鉄則になる。
こうしておけば、後日、その写真にアクセスしたいと思った時に、文字情報が検索キーになってくれる可能性があるからである。

Evernoteのホームページにはこんな記載がある。

「Evernote OCR 技術は、PDF 内のタイプされたテキストを検索可能にするだけでなく、画像内の手書き文字の検索とインデックス作成も可能です。手書き文字が見つかりインデックス付けされる確率を高めるには、以下のガイドラインに従って下さい。

手書き文字を含む画像は、PDF ではなく JPG画像として Evernote に追加して下さい。PDF ファイルは、タイプされたテキストを含む文書やスキャンしたページに適したフォーマットです。一方手書きのテキストは、PDF ファイルではインデックスが作成されません。
手書きの文字の場合、筆跡が明瞭なほど、正確に検索用インデックスされる可能性が高いと言えま​​す。文字が雑に書かれ、読みとりにくい場合は、Evernote でも書かれた文字を判別できない場合が多くなります。」

http://jp.support.evernote.com/link/portal/16051/16073/Article/2536/-Evernote

※Evernoteのホームページ(http://evernote.com/intl/jp/premium/)を見ると、無料版ではPDFファイル内の検索ができない…となっているが、あらかじめOCRがかかっている場合は「検索できる」…という友人も多く、この点は未確認である。どうも、このあたりがよくわからない笑

また、次のような記述もある。

「OCR ソフトウェアには常に改良を加えていますが、OCR ソリューションは完璧ではないため、中には間違っていたり、まったくインデックスが付けられていないテキストもあるのでご注意下さい。」

http://jp.support.evernote.com/link/portal/16051/16073/Article/2536/-Evernote

なるほど。
であれば、今のうちにとにかく写真にしておけば、数年後には、もっともっと認識率が高まっているかもしれないわけである。

「備えよ常に!」

の精神で、とにかく、撮りためておこう。
手書き文字の認識率が上がれば、いずれ、手書きの資料とデジタル資料の境目がなくなる時代がくるやもしれない。

なお、スマフォのカメラアプリやスキャナーアプリの大半は今やEvernoteと連動しているので、アプリ内に写真データを保存するに留めず、特に文字情報の入っている写真をとった場合には、速やかにEvernoteに転送することをお勧めする。これで、

「文字入り写真の保存先の一元化」

が叶うのである。

7.派生アプリの活用
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ここから先はiOSを使っている方(iPhone、iPad)のみを対象とした情報提供である。
Evernoteは立ち上げて、新規ノートを開くまで、あるいは、写真ノートとすべき写真を撮影するまでのステップが多い。

「すぐにメモを取りたい」

という方にとってはこの工程の多さは実に不愉快である。

そこで、次の2つの派生アプリの使用をおすすめしたい。

(1) FastEver
常に新規ノート(文字ノート)が立ち上がるアプリ。アイコンをクリックするだけで立ち上がる。私が普段最も使っているアプリはこれである。キーボード入力することも多いが、最近では、音声入力することも多くなった。
iPhoneのSiriを使い始めたときに、結局はSiriなんかどうでもよいと思ったが、音声入力機能だけは「使える」と思った。今や、FastEver+音声入力が私のもっとも重要な入力装置になりつつある。

(2) FastEverSnap
(1)のカメラ版。アイコンを押せば撮影可能になり、シャッターを押して、この映像を「使用」を押せば、撮った写真はそのままEvernoteに送られる
最近では、
「文字の入った写真はFastEverSnapで、文字の入っていない写真はカメラアプリで」
と使い分けている。つまり、会議の議事録や板書、書類の一部を写真に収める際には、FastEverSnapを使い、飲み会の風景写真や子供の運動会にはカメラアプリを使う…ということである。

さらにもう1つ。
パソコンやMacのブラウザー(インターネットエクスプローラー、Chrome、ファイヤーフォックス、Safari等)でWebを見ている際に、

「これは保存しておきたいな」

というページがあれば、各ブラウザーにWebClipperという機能を足せば、そのアイコンを押すたびに、Webの内容は保存できるようになる。
http://evernote.com/intl/jp/evernote/
これはEvernoteの代表的な機能であり、既に使っている方も多いと思う。

ところが、

「同じことが、iPhoneやiPadではできない」

というのが、愛用者にとっては長年の(というと大げさだが)不満だった。
この不満を解消したのが次にご紹介する「EverWebClipper」であり、現在、iPhone版、iPad版両方が販売されている。

(3) EverWebClipper
iPhoneやiPadを使って、SafariでWebを見ているときに、必要なページを自在にクリップしてくれるアプリである。
ブックマークレットというしくみを使うので、いささか初期設定がわかりにくい(操作が複雑と言うよりも、なんでそんな操作が必要なのか、体感的にわかりにくい)のが難点である。
実際のインストール、初期設定の方法はいろいろなところで紹介されているので、ここでは割愛するが、2分くらいで設定は完了してしまうので、ためらわずに導入していただきたい。
これにより、iPhoneやiPadで、つまり、SafariでWebを見ていた際に、保存したいページが出てきたら、ワンタッチでそのページがEvernote上に保存できるようになる。

8.テキスト・エディタとしてのEvernote
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初期のEvernoteは割と頻繁に「落ちる」ことが多く、長文を書く人間にとっては、「信用度」が低かった。
たとえば、雑誌原稿やブログの原稿をEvernoteで書くことには一抹の不安があった。
しかし、現在のEvernoteは非常に安定しており、エディターとして使う方が多いことも納得できる

ただし、私自身はエディターとしては使用していない。
長文を書くときには、長年、Wordでいきなり書き始めるか、あるいは、パソコンまたはMacにインストールしたエディター・アプリを使ってきたからである。

パソコンやMacにはさまざまなエディタがあり、Windows時代には「秀丸」を、Macになってからは 「Mi」を愛用している私だが、Miはちょっと不安定であり(使い勝手はよいのだが、突然立ち上がらなくなり、再インストールしなければならなくなることが多い)、最近は、デフォルトの「テキストエディット」に切り替えている。

過去20年近くにわたって蓄積されたテキスト・ファイルという資産があるので、私の場合、原則としてEvernoteをエディターとしては使っていない。
今からEvernoteを使い始めると、テキスト・ファイルの保存場所が2箇所に分散してしまい、一括検索ができなくなってしまうからである。
長文についてのテキスト・ファイルは、パソコンまたはMacのエディター・アプリで作成し、Dropboxに保存…という方法に一元化している。

9.Evernote情報の他人との共有
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Dropboxや他のクラウド・コンピューティング・サービス同様に可能である(最近まで知らなかったのだが笑)。
iOSやAndroidからの設定方法は確認していないが、パソコンやMacであれば、簡単に設定できる。
共有したい相手のメールアドレスさえわかっていれば、相手を招待できる。

手順としては、

① 相手(複数でも可能)と共有したいノートを設定する(【例】山口・竹永連絡用ノート)
② 相手を招待する
③ 相手の承諾を待つ

というだけである。

ただし、①を設定しないと、自分のプライベートなノート全体がいきなり、相手と共有化されてしまうことになり、大変恥ずかしい思いをするので要注意。
かならず、最初に「共有ノート」を新規作成するべきであろう。

もっとも、他人との情報の共有化にはEvernoteに頼らずとも、他にもたくさんの手段がある。
宅ふぁいる便やFireStorage、Dropboxなどである。大きなファイルのやりとりを伴うのであれば、これらのサービスを使うほうが自然だろう。

ノートの共有機能を使えば、

「Evernoteをチャット的に使える」

という方もいらっしゃるが、だったら最初からチャット機能に特化したアプリを使ったほうが使い勝手はよいだろう。

10.スケジュール管理
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Evernote単独でのスケジュール管理は難しいだろう。
一部のカレンダーアプリではEvernoteの情報をリンクする機能があるようだが、あまり一般的ではないようである。

11.Facebook情報の検索手段としてのEvernote
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Facebookの個人ページには検索機能がないため、自らの過去の記事を参照したいと思った時に不便を感じる方は多いだろう。
私もその一人である。

しかし、数カ月前に知り合った「FBログ」というアプリ(ASPの一種のようだ)を使えば、無料で簡単に過去の自分のウォール全体を保存することができ、全文検索も可能になる。

http://fblog.jp/

このFBログには付帯機能があり、ウォールの内容を1日ごとに1ページとして、Evernoteに転送してくれる…というものである。

完全に、FBログとの二重管理にはなってしまうのだが、自動生成されるため、困ることはないため、私も併用している。
FBログでもEvernoteでも、Facebookに作成した記事をすべて読むことができるのはたいへん便利である。

2012年7月25日

共通価値(CSV)創造の時代

本日は、マイケル・ポーター教授による

「共通価値(CSV)の創造」

についての講演を拝聴してきました。
ポーター教授の講演は実に10年ぶり以上。以前は東京で「実物」を拝したのですが、60分で36,000円くらいかかったのを覚えています。
今回は、日立さん主宰のイノベーション・フォーラムの一貫として、ボストンからの生中継ビデオ講演。


基本的には、名論文中の名論文『経済的価値と社会的価値を同時実現する 共通価値の戦略』(マイケル・E・ポーター DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2011年6月号)に基づく内容でした。

「顧客のニーズに対応するだけでは不十分だ」

という主張は、最近ではいろいろな方が展開しています。コトラー流のマーケティングに対するアンチテーゼです。
『イノベーションのジレンマ』などで有名なクリステンセンもその一人ですが、「共通価値の創造」を主張するポーターの考え方も、従来型のコトラー流マーケティングの限界を示すものです。

共通価値(Shared Values)という概念は、経済的価値を創造しながら、社会的ニーズに対応することで社会的価値も創造するというアプローチです。

単に顧客のニーズにだけ固執していたのでは不十分であり、企業は社会的責任を積極的(能動的に)にとらなければならないとする考え方です。消極的・受動的な責任のとり方では足りないというものです。

共通価値の創出の重要性の前提となった考え方は、ポーター仮説と呼ばれるポーター教授が1991年に発表した理論にあります。
「ポーター仮説」とは、環境規制と企業の国際競争力の関係に関する理論です。
適切な環境規制が企業の効率化や技術革新を促し、規制を実施していない地域の企業よりも競争力の面で上回る可能性があることを指摘したものです。
環境規制が企業の負担になるとする従来の通説とは異なる見方を示した点に特徴がありました。

これまでの資本主義の考え方は、

「企業の利益と公共の利益はトレード・オフである」
「低コストを追求することが利益の最大化につながる」

といったものであり、こういった考え方が依然として支配的です。

しかし、共通価値の概念は、企業が事業を営む地域社会の経済条件や社会状況を改善しながら、みずからの競争力を高める方針とその実行なのだと、ポーター教授は主張しています。

ポーター教授は、企業はほぼ自己完結的な存在であり、社会問題や地域社会の問題はその守備範囲の外にあるというミルトン・フリードマンの主張は誤りである考えています。
社会問題や地域問題を解決することが、企業にとっても生産性が高まるはずだ…というのです。
いいかえれば、これまで外部不経済として企業の守備範囲外だと捉えられてきた社会問題を解決すれば、それによってコスト負担がますどころか、企業側の生産性も大きく改善するはずだ、というの主張なのです。

たとえば、従来の企業は、従業員の健康保険料は高くつくとして、これを最低限に抑え、場合によっては廃止しようとしてきました。
しかし、今や、多くの大企業が、従業員が健康を害すると、欠勤や生産性の低下が生じ、結果的に健康保険料より高くつくと考え、さまざまな健康増進プログラムを実施し、医療費を数億ドル単位で削減している時代です。
健康問題だけではなく、貧困や差別や環境や高齢化といった諸問題も、外部不経済として片付けてしまうのではなく、企業が何とかしなければならない問題であり、それによって企業は損をするのではなく、得をするのだ…という感覚が必要なのでしょう。

ここで、実際に「共通価値の創造」により、成果を挙げている企業を幾つかご紹介しましょう。

まずはネスレです。
本日の講演でも、また、論文にも登場する代表的な「共通価値創造企業」です。
ネスレは、事業活動と「世界をリードする栄養・健康・ウエルネス企業」として、最適な共通価値の創造が実現しています。
彼らは、自社のHPで「共通価値」という言葉をかかげ、「栄養」「水資源」「農業・地域開発」の3つの分野に焦点を絞り事業活動に注力しています。
これらの3分野は、ネスレの事業戦略の中核であると同時に競争上の強みでもあります。
http://www.nestle.co.jp/CSV/CreatingSharedValueAtNestle/FocusAreas/Pages/FocusAreas.aspx

ネスレの中心的商品であり、著しい成長を続けてきた「ネスプレッソ」は、このような共通価値の創造の考え方の好例です。
http://www.nestle.co.jp/CSV/Agriculture/Pages/Agriculture.aspx

「ネススプレッソ」は、最先端のエスプレッソ・マシンと、世界各地のコーヒー豆の粉末が入ったアルミニウム製のカプセルを組み合わせた製品です。高品質と利便性を提供したことで、プレミアム・コーヒー市場でのヒット商品となりました。
しかし、特殊なコーヒー豆の安定供給は非常に難しく、ほとんどのコーヒー豆はアフリカや中南米の貧困地域の零細農家が栽培していましたが、これらの農家は、低い生産性、粗悪な品質、収穫高を制限する劣悪な環境という悪循環の中におり、そのリスクはネスレ側にとっても脅威となっていました。
この問題を解決するため、ネスレは調達プロセスの見直しに取り組みます。
① 農法に関するアドバイスの提供
② 銀行融資を保証
③ 苗木、農薬、肥料など必要資源の確保の支援

現地の栽培農家の「ボトルネック」となっていた経営要因に対し援助し、協力を惜しみませんでした。
しかも、高品質の豆に対しては価格を上乗せし、中間業者や政府を通じず、栽培農家に直接支払うなどの施策も展開し、彼らに対する動機づけ(モチベーション・マネジメント)にも配慮しました。
この結果、1ヘクタール当たり収穫高は増加し、高い品質のコーヒーが生産されるようになりました。
栽培農家側としては、所得が増え、農地への環境負荷が減りました。
ネスレ側は、品質の高いコーヒー豆を安定的に入手できるようになりました。
まさに共通価値が創造され、いわゆるWin-Winの関係が構築されたのです。

本日、講演の中で、ポーター教授が、

「利害関係者との関係性を変革して行かなければならない」

と主張されていましたが、まさにそのとおりだと感じますね。

 

こういった事例は、最近の日本でも増えています。
次にご紹介する事例は、明治です。
明治は、アグロフォレストリーチョコレートの生産戦略において、上記のネスレと似たような共通価値創造の方針を貫いています。
http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/agroforestry/

アフリカ一辺倒だったカカオ豆の産地分散に取り組んでいた同社は、さまざまな調査の結果、ブラジルのトメアスという地域の日系ブラジル人が高い見識と精神を持っていることを発見します。
彼らとの関係性を強化するために、明治は投資と技術教育を惜しまず、また、トメアスの日系ブラジル人たちは貪欲にそれを受け入れ、両者はパートナーとして成熟していきます。
現地の日系ブラジル人からすれば、明治の技術ノウハウを吸収できるわけですし、明治の分析技術のおかげでカカオの良否を正確に把握できるようにもなりました。共同で改良したカカオを長期間にわたり、明治が全量購入する約束をしてくれたため、収入が安定するといった利点も生じました。
一方、明治にとっては、品質が高く、自社製品にぴったりあったカカオを安定的に入手でき、アフリカ一辺倒だった産地分散という当初目標も達成できるという利点が生じました。
森林農業で栽培したカカオを買い続けることが、アマゾンの森林を再生するという社会貢献にもなるのです。というのは、アグロフォレストリーチョコレートの販売量が伸びれば、森林農業によって栽培されたカカオの購入量が増え、より多くのカカオを生産するために、森林農業を手がける農家が増え、1農家当たりの耕作面積が増え、アマゾンの森林が増えていくのです。明治の試算では、チョコが1枚売れるたびに、アマゾンに50cm四方の森林が再生するといいますから驚きです。

最近の事例も1つご紹介しましょう。
2010年に三洋電機が発売しヒットしたGOPAN(ゴパン)」(現在はパナソニック製です)も共通価値を前面に出した製品の代表でしょう。
ゴパンは、米からパンを作れるホームベーカリーとして一世を風靡しました。発売当初、ソーシャルメディアで話題となり注文が殺到し、ちょっとした社会現象になりました。

「コメを食べたい」

と考える比較的若年層がゴパンを支持したのです。
企画段階から

「米の需要拡大」

を強くアピールし、販促でも「稲作文化」への貢献を打ち出しました。
この理念は、自治体にも伝わり、発売後、「米どころ」と自負する自治体から、市民向けに説明会や試食会を開きたいとの問い合わせが殺到しました。
デモ機の貸し出しは100回近くに達したといいますから驚きです。
秋田県・新潟県・福岡県など7つの自治体がGOPANに賛同。http://jp.sanyo.com/gopan/map/index.html
秋田では、ゴパン購入に補助金を出す制度も作りました。http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20110616/1036329/?P=2

こういった共通価値の事例は今後も増えていくのは間違いありません。

ポーター教授は、これまでも企業は、自らの社会的責任を果たすためにさまざまな試みをしてきたと述べています。企業の果たしてきた社会的責任の態様は大きく2つに区分されます。

① フィランソロピー 寄付や基金
② CSR 社会的責任

しかし、教授はこの2つではいずれも、大きなインパクトを社会に与えることはできないとしています。
①のようなただ寄付をするだけでは、社会問題の根本的解決にはいたりません。②についても、本業とは別に、世間の目があるから一応社会的責任を果たそう…というのでは、本腰を入れていることにはなりません。

ポーター教授の言わんとしているのは、

「本業で儲けながら、直接、社会的な価値も生み出せ」

ということなのです。
本業として取り組むからこそ、本気で考え、本気で動きますので、イノベーションが生じるというのです。

ただお金をあげるだけの①や渋々形だけ行なっている②では、社会問題(貧困、差別、環境、雇用、高齢化等)は解決はしません。

しかし、企業が本気で取り組むなら、そこにイノベーションが期待できる…というのです。
その可能性は、政府や自治体、NPOやNGOが行うよりも高いし、早いし、頻度も大きいだろうというのが理由です。
イノベーションが期待できるということは、当該社会問題が抜本的に解決するか、そこまではいかなくても、大きな前進をする可能性があるということを意味します。
単なる、フィランソロピーやCSRとはその点が大きく異なるのです。

かつて、ドラッカー教授は、自著『マネジメント』の中で、マネジメントが社会的責任を果たさなければならない理由として、社会において社会的責任を果たしうるのは、マネジメント層しかいない(政府や自治体では質的にも量的にも果たし切れない)と述べていました。
ポーターは「共通価値の創造」の担い手として企業をあげていますが、全く同じ理由です。「共通価値の創造」は企業にしかできないことなのです。

論文の中で、ポーター教授は、

「共通価値の創造とは、アダム・スミスの「見えざる手」をより広義に解釈した概念といえる。この考え方によれば、『国富論』の冒頭に登場するピン工場は、より大きな影響力を持つようになる。
また共通価値の創造は、けっしてフィランソロピーではなく、社会的価値を創造することで経済的価値も創造するという利己的な行為である

と述べています。

そうなのです。共通価値の創造は、

「利己的な行為である」

という点にこそ、特徴があります。
教授は、社会的価値を創造するに当たって、企業はバンバン儲けてよいと肯定しているのです。

「何か慈善事業に取り組まなければならないなあ」
「儲からなくてもとりあえず取り組んで格好だけはつけておこうか」

と消極的に何かをする必要はありません。
堂々と儲けながら、社会的価値を生み出していこうということなのです。

これは、実におもしろい考え方です。

宗教改革の際に、金儲けは個人の自由であり、努力して金儲けするのを良いこととみなすプロテスタント教会が出てきたのと似ています。
かつてタブーだとされてきたことを堂々とできますよ…と世界的な経営学者が太鼓判を押してくれているのです。

さてさて。
ポーター教授がおっしゃるには、共通価値がもたらすチャンスを見極める方法は、以下の3つに大別されます。

① 製品と市場を見直す
② バリューチェーンの生産性を再定義する
③ ビジネスを営む地域に産業クラスターを開発する

私たちはどこから手を付けるべきか。
どこの企業でも考える時代にきているのでしょう。

講演を聞きながら、「はっ」と思ったのは、私が行なっているビジネス雑談サロン


これはまさに、共通価値の創出がテーマになっています。

この会合は極めて利己的な会合です。
それはいつも明言しているのですが、

「ビジネスにつなげるためにやっている」

というのが大前提になっています儲けることが前提です笑
そしてまた、

「主宰者の私が学びたいことをいろいろな方から学ぶ機会としている」

ということも申し上げています。
にもかからわず、多くの方が毎回参加してくださり、私そして弊社のビジネス・パートナーになってくださったり、お仕事をくださったりします。

直接の仕事上の関係が生まれない方々出会っても、人的交流が生まれ、知的交流が生まれ、

「非常に社会的に意義がある試みですね」

と評価していただいています。

これすなわち、「共通価値の創造」なのです。

私の取り組みなど小さな取り組みに過ぎませんが、世の中の多くの企業でたくさんのビジネスが「共通価値の創造」を展開していけば、人類はまだまだ進化することができるはずですね。

このあたりをまた皆さんと議論していきたいと思います。

2012年7月20日

コンサルタントは何をもって差別化すべきか

皆さん、こんにちは。
今夜は、ある中小企業診断士の研究会で、講演をすることになっています。
テーマはずばり、「コンサルタントは何をもって差別化すべきか」。
講演時間が90分ですが、そのあと、懇親会もあるということですので、交流を深めてこようと思います。

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2012年7月17日