竹永亮の記事一覧

クラウド時代のマネジメント

弊社の主要クライアントである大手金融機関や大手メーカーの階層別研修の中でも、私が毎年最も頻繁に担当するのがマネジャー向けのマネジメントの手法についての研修です。

動機づけやリーダーシップについては既にいくつかのメニューを持っている(【例】動機づけ地形図モデル理論、マネジリアル・クライミング・モデル)が、それとは別に、「クラウド時代のマネジメント」というテーマで今後は研修機会を増やしていきたいと考えています。

モデル・プランは次の通り。もちろん、興味のある部分だけを断片化することも可能です。
中小企業診断士の方を対象とした理論政策更新研修のメニューとしても独立させたいと考えています。
私自身にとってもちょっと楽しみな研修です。皆さんのご意見をお聞かせください。

 

研修テーマ:「クラウド時代のマネジメント」

 

<初日>

※ 研修のオリエンテーション

 

1.クラウドとは何か
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(1) 近未来小説で見るこれからのビジネス・シーン
① 仮想現実
② クラウド
③ 同期と検索

(2) クラウド・サービスの概要
① ファイル共有のためのストレージ・サービス(Dropbox対SugarSync)
② アイディア記録システムとしてのEvernoteと音声入力システム
③ Googleを使いこなす(Gmail、Google Calendar、GoogleTrend、GoogleInsight等)

(3) 【ホワイトカフェ1】「クラウド時代のマネジャーの役割」

 

2.SNSをマネジメントに活かす
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(1) 竹永亮のSNS白書
① Facebookで学んだこと、しくじったこと
② Twitterで学んだこと、しくじったこと
③ SNS複合活用によるビジネス・シナリオの変遷

(2) SNSによる情報収集
① IT時代の家庭教師調達システム 例:Senseisagasu.com
② 家庭教師調達システムとしてのFacebook
③ 自社のための雑談システム構築手法
④ 補完的役割のTwitter
⑤ これからのSNS

(3) 【ホワイトカフェ2】「企業はSNSをどう扱うべきか」

※ 初日の振り返りと次回までの課題

 

 

<2日目>

※ 昨日の振り返りと本日のオリエンテーション

 

3.激突! デジタル対アナログ
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(1) デジタル対アナログ
① 紙媒体をどう扱うか
② Spotlightを備えたMacへの変更という選択肢
③ 実演! 単純自炊システムから高度自炊システムへの移行術
④ 「日経テレコム21」を用いた企画・営業、技術革新、勉強法
⑤ スマートフォンによるマネジメント

(2) クラウド時代の文書管理
① Wordのスタイル機能を用いた超・機能的文書作成法
② 部下に学ばせるべきPDF操縦法
③ PowerPointの生産性を高める業務手順
④ Not分類But検索の時代
⑤ 野口悠紀雄の超・整理法と山根一眞の書類整理法の比較
⑥ 寿限無式ファイル命名法の基本原則
⑦ 究極の写真管理術

(3) 【ホワイトカフェ3】「激突! デジタル対アナログ」

 

4.知的生産革命の時代
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(1) 管理職イノベーション時代
① 表現方法のイノベーション
② プロモーション手法としてのiMovie動画
③ 脱・ノミニュケーション時代を生きる
④ 見えざる資産を探求する方法

(2) この星の知的生産性を高めるために
① ドラッカーの時間資源管理理論
② ルパンと不二子の論理
③ 不可視的無駄排除の原理
④ 家庭教師調達システム

(3) 【ホワイトカフェ4】「知的生産革命の時代」

 

※ 研修のレビュー

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2012年5月7日

近未来空想科学短編小説:太陽系第二惑星の悲劇

今夜の夕焼けは美しかったですね。

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まるで大昔の円谷プロの特撮映画に出てくるような美しくも幻想的な夕焼け。

「いちばんぼおおしい、みいつけた〜」

「お、坊や、あれだね。あの金色の星…」

「うん。とってもきれいだね、パパ」

「坊や、あれは、『ウルトラの星』だよ」

「…」

「聞こえなかったかな。あれは、パパが子供の頃に見たウルトラの…」

「パパ、何言っているの?」

「…」

「あの星は、金星。ラテン語ではVenus(ウェヌス)、英語ではVenus(ヴィーナス)と表記される、太陽系第二惑星だよ。
金星は、地球型惑星であり、太陽系内で大きさと平均密度、質量などが最も地球に似た惑星であるため、『地球の姉妹惑星』と表現されることもあるんだよ。太陽系の惑星の中で最も真円に近い公転軌道を持っていることでも有名でしょう。地球から見ると、金星は明け方と夕方にのみ観測でき、太陽、月についで明るく見える星であることから、昔の人は、明け方に見えるのが『明けの明星』、夕方に見えるのが『宵の明星』として別々に扱っていたんだよ。これは金星が地球よりも太陽に近い内惑星であるため、太陽からあまり離れず、太陽がまだ隠れている薄暗い明け方と夕刻のみに観察できるために起こる現象で、第一番惑星である水星でも同様の現象が確認できるんだよ。太陽との最大離角は約47度と、水星の倍近くあるため、最大離角時には日の出前や日没後3時間程度眺めることができるので、今日もこうして、一番星として見つけることができたんだ。」

「…」

そうだった。
また、忘れていた。

この時代。子供たちは、皆、SAR(Super Augmented Reality;超拡張現実)機能を備えたコンタクト・レンズを装着しているのだった。
彼らが知りたいと頭の中で望めば、それに関するあらゆるクラウド上の情報は、コンタクト・レンズ上に表記され、あっという間に知ることができるのだった。

「一番星の正体」と坊やが望めば、「金星」に関するあらゆる文字情報、数値データ、静止画、動画をすべて見ることができる。時間があれば、あたかも、金星旅行に行ったかのような体験もすることができる。

21世紀初頭に話題となったAR(Augmented Reality;拡張現実)とは比べ物にならないほどの高機能である。

「ねえ。パパ、わかった? 聞いてるの??」

「ああ、坊やはすごいな。なんでも知っているだな」

そういえば、21世紀初頭までは、親が子供に「物を教えていた」そうだが、今の時代、そんな必要はなくなったのだった。
ついつい、そのことを忘れて、この調子だ。
結局、いつも坊やにしてやられてしまう。
「ウルトラの星」どころか、夢もへったくれもない時代のだ。

「あ、パパ、夏の大三角形だ。東の空に。ほら…」

坊やの情報は常に正確だ。

この季節。東の空には夏の大三角形が登ってくる。
夏の第三角形を構成する星座や一等星にまつわる話なら、私でもできるのだが、その必要はないだろう。
この瞬間にも、彼のコンタクトレンズが、必要な情報(星座にまつわるギリシア神話、一等星の等級、地球からの距離、織姫・彦星の伝説など)を、事細かに映し出しているのだから。

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2012年5月6日

北斎の眉毛の角度。それが問題の本質である

皆さん、こんにちは。
今回はFacebookに投稿した「新書版ヌーボード」をめぐる私見をアップいたしますm(_ _)m
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俳句を嗜む方であれば、常に短冊を常備していることであろう。

インスピレーションを感じるたびに、それを俳句として仕上げていく。
実に粋な趣味である。

俳句を嗜まない私は短冊を持つという習慣がない。
そこで、これまでにも、さまざまな手帳を、備忘録として活用してきた。
「超・整理手帳」も、Evernoteも、Twitterも、iPhoneの音声入力も、つまりところ、短冊の代替品であった。

しかし。
この度、欧文印刷さんが世に出したA4判ヌーボードは、短冊の代替品ではない。
キャンバスの代替品である。

そのことを、この数日間、ずっと試してきた。

阿部寛の映画について語る機会があれば、それについてその場でメモを取れる。

ムンクの名画『叫び』の落札のニュースを目にすれば、それを書き留めることができる。

北斎に思いを馳せれば、その場でそれを描くことができる。

 

これまでにも何度も申し上げてきたが、これは紙では代替できないホワイトボード特有の機能である。
紙に北斎を描く際、眉毛の角度を気にしていては、描くこと自体を躊躇してしまう。
紙の場合、普通は書き直すことができないからである。

躊躇はアイディアの記録を阻害する。
機会損失はこうして発生するのだ。

ホワイトボードであれば、北斎の眉毛の角度は何度でも修正することができる。
躊躇する必要はない。まずは思いついた角度で北斎の似顔絵を描けば良いのだ。
描くことに対する「摩擦係数」が、紙よりもずっと小さいのが、ホワイトボードの根本的な特長である。

前述したとおり、新書版ヌーボードは短冊ではなく、超小型キャンバスである。

親しい友人たちと「白板呑み」を楽しむときにも、このキャンバスは実に有効である。
居酒屋でビールを楽しむ時、A4判のホワイトボードでは大げさすぎることがある。
仰々しいことをよしとしない友人も多い。
そんな時でも、新書版のヌーボードならば、気にせずに持ち込むことができる。
奥ゆかしいのだ。

iPhoneで撮れば、自然な表情を撮れるのに、一眼レフを向けると、なぜかこわばった表情しか撮れないのと、同様である。

面積的な問題も無視できない。
居酒屋で、A4判のホワイトボードを並べまくってしまうと、頼んだ肴を並べるスペースがなくなってしまうからである。
「焼き鳥一皿」とほぼ同じ面積の新書版ヌーボードならば、その心配は杞憂である。

とにもかくにも。
新書版ヌーボードの登場により、飲んだ席で浮かび上がった素晴らしいアイディアを記録できずに忘れて泣く…という機会損失問題から解放された。

「忘れる前に描いてしまえ」

すばらしいイノベーションである。

またひとつ。
酒を飲む楽しみが増えた。

「良き友と飲む傍らにヌーボード」

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2012年5月6日

WiMAXの落とし穴

WiMAXを使うようになって早一ヶ月が経過しました。
実に快適。
XiなどのLTEとの比較は、両方持っていない私がどうこういうことではありませんが、首都圏においては、地下以外の場所では概ねしっかりと機能してくれています。

ただし、落とし穴もあります。

「あれ、なんか遅いなあ。3G接続に変わっちゃっているのかな…」

時折首を傾げることがあります。

しかし、実はこれ、WiMAXのせいではないのです。
私が悪い。

私の場合、会社その他の場所で動画を撮っては京浜東北線の中で編集、即アップロード! を狙うことが多いのですが、WiMAXであれ、LTEであれ、

「上り回線は遅い」

のが常識!

ところが、これを忘れてしまうわけです。
おそらくは、下り回線においては、少なくとも、オフィスや自宅の無線LAN(Wi-Fi)と、「体感的」にはほぼ同じように使えているがために、上りになった時にイライラしてしまうわけです。

最近では一人暮らしの方などは、WiMAXやLTEオンリーにしてしまい、無線LAN(Wi-Fi)を契約解除してしまう方が増えて来ました。
現に私もそれをオススメしたことがある一人なのですが、大量の情報発信(【例】講義動画配信)を考えていらっしゃる方は、自宅の無線LAN(Wi-Fi)は残しておいたほうがよいかもしれません。

「もう解除しちゃったよ」

という方には裏技を。

最近は、Macや一部の喫茶店だけではなく、コンビニでも無線LAN(Wi-Fi)が使えるようになりました。

できあがった動画が入ったスマフォを持って、近くのコンビニに出かけてみてはいかがでしょう。
お買い物をしたり、立ち読みをしたり(あ、あんまり長時間はまずいですが_| ̄|○)している間に、動画はYouTubeにスパッとアップロードされていることでしょう。

…などと、この裏技は、私自身がまだ検証していないので、自己責任でお願いしたいのですが、そういう方法もあるわけです。

ちなみに、今日のネタは『日経トレンディ』(6月号)p.28下段の記事を読みながら思いついたものです笑

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2012年5月6日

写真で振り返る2012年1〜4月期

ITの進展により、さまざまなことが可能になったのは言うまでもありませんが、とりわけ写真情報の記録は本当に楽になりました。

何かを伝える際にも、文字で長々と書かずとも、数枚の写真をさっと見ていただければ済んでしまうもの。
写真整理の苦手な私ですが、時折、自らの備忘録として、そしてまた、新たなアイディアを生むための知的資産として、アップロードしておこうと思います。

昨年は大震災があった1〜4月期ですが、今年はとにかく大きな災害に見舞われることだけはありませんでした。
多くの方と出会い、語らい、過ごすことができました。

明日からは5月戦も本格化しますね。
雑談と白板、SNSと講義動画配信…アナログとデジタルを上手に使い分けながら、これからもいろいろ新しいことにトライしていきたいと思います。

 

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2012年5月5日

火曜日には雑誌をもって雑談に行こう

子供の頃。
ガンプラもおもしろかったが、もっとおもしろいのは、家の中に転がっている何の変哲もない素材を組み合わせての工作。
ストローや牛乳ビンのふた、ヤクルトの容器、ダンボール、針金ハンガー、輪ゴム、割り箸…
思えば、すべてが宝の山であった。

ITやらクラウドの時代になっても基本は変わらない。
雑談、ホワイトボード、携帯電話のカメラ、定休日の空き教室。私の周りはいまも宝の山なのだ。

バーニーにいう「見えざる資産(invisible Asset)」とは、要するに身の回りの宝の山のことである。

で、またひとつ。お宝を発見。
「雑誌」である。
雑誌は安い。誰でも手に入る。破いたり、切ったりしても、心が痛まない。読むのも負担にならない。しかも最新の話題が満載。
雑談にはもってこいの素材である。

これぞ水魚の交わり。灯台下暗し。

「火曜日には雑誌をもって雑談に行こう」

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2012年5月5日

必読! 『日経トレンディ』6月号「スマホの処方箋」

皆さん、こんにちは。今月号(6月号)の『日経トレンディ』は特集「スマホの処方箋」です。とてつもない情報量。すごいです。うまい塩辛があればなんぼでもお酒が飲める…という方がいますが、この『日経トレンディ』があれば、何時間でも「間違いだらけのスマートフォン選び」で雑談ができます。すごい、すごすぎる!
先々月号のGoogleスペシャルはイマイチだったが、今回は渾身の出来! 
同書を雑サロの推薦図書に指定させていただきます。

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2012年5月5日

「ビジネス雑談サロン4.0」構想

人間、ひらめくときはひらめくもので。
ビジネス雑談サロンのフォース・ステージ(4.0)が見えてきた。

① 「雑サロ1.0」…特に何も考えずSNSについておそるおそる雑談(昨年7〜8月)
② 「雑サロ2.0」…テーマを決めての雑談に切り替え。メンバーも招待制に移行(昨年9月〜)
③ 「雑サロ3.0」…昼の部の開催。灯台下暗し。昼にニーズがあることに気づく(昨年10月〜)

しばらく方法論が停滞していた雑さろだが、では、4.0はどうあるべきか?

④ 「雑サロ4.0」…テーマとなる雑誌をテキストに雑談を開催。雑誌といってもそんなにすごいものではなく、「日経トレンディ」「ダイヤモンド」「日経ビジネス」「日経PC21」「MacFan」「東洋経済」などが中心となる。おもしろいもの、読みたいものを都度取り上げる。発売から3週間くらい後に雑サロを開催。当該雑誌ならびにその派生情報でわいがやを楽しむ。今まで抽象論で終わっていた会話も「ほら、ここに出ている」と実際に確認することができる。

千種さん開催の「名著を読む本」とコンセプト的には近くなるが、同会との差別化は、

① 中小企業診断士を中心とするコンサルタントを対象としていない
② 名著ではなく、雑誌をテキストとする
③ シーケンシャルに全文を読むのではなく、拾い読み・飛ばし読みが基本
④ レジュメ等の資料はなし
⑤ 流動的メンバー

という点で図れるだろう。

今まで扱わなかった、経済、歴史、マネジメント、マーケティング、教育といったテーマもテキストとなる雑誌記事があれば、それを素材に話を膨らませればよい。

何よりすごいのは、これなら、誰でも雑サロを開催することができるようになる点である。特別なファシリテート力は不要で、雑誌がよい橋渡しの役割を果たしてくれる。

開催頻度をあげることもできるし、テーマのアイデンティティも図りやすい(現在の方法だとタイトルは違うが内容はいっしょ…ということが多い)。

さらには、私が他の方が主宰する雑サロに参加することも可能だ(ようやく一参加者として参加できるかもしれない! 言いたい放題言いたいという夢が叶うのだ)

「少年ジャンプ」を呼んだ子供たちが、放課後にストーリーについて語り合うのと本質はいっしょである。雑談たるもの、こうでなくっちゃね。

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2012年5月3日

第41回ビジネス雑談サロン

皆さん、おはようございます。
昨日の雑サロの記録。
今回は議事録ではなく、プロモーションビデオ風にまとめてあります。
主演は、公認会計士の李さんですねm(_ _)m

 

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2012年5月2日

「持続的知識製造」が明日を作る

先日、コクヨ・ガーデンオフィスで、雑サロ特別企画として、50人近い友人に集まっていただき、

「この星の知的生産性を高めるために何をすべきか」

についてのホワイトカフェを開催しました。

会場を提供して下さったコクヨの皆様に、当日お越しくださった友人の諸氏に、そして、私にかわって、各グループのファシリテーターを努めて下さった7名の方々には、改めて御礼申し上げたいと思います。

大上段に構えたこのテーマ。

しかし、私の友人たちの知的労働に対する好奇心は実にお強い。
強力な上方向へのベクトルを感じる会になりました。
精神論で申し上げているわけではありません。アウトプットの量に簡単!
出てくるアイディアだけで一冊の本が書けそうな勢いでした。

オープン・カレッジ化が進む昨今。

もはや、ものを知っているだけでは専門家とはいえなくなってきました。

たいていの理論はGoogleでわかりますし、たいていの判例もネットで調べればわかります。
たいていの病気も検索を続け、論文を読んでいくと、自分の主治医より詳しくなります。
企業の事例もビジネスの実例もいくらでも検索すれば見つかります。

最近、人にモノを尋ねてから、

「しまった」

と思うことが増えました。

私が尋ねた相手が、

「じゃあ、ググってみようよ」

とおっしゃって、その場でGoogleでの検索をしてくださる場合です。

「…最初から自分でやればよかった。お手間をとらせてしまった…」

と、小さな自己嫌悪に陥ります。

「もはや、知識について人に質問する必要はないのだな」

と思うこと、しばしです。

もっとも、限界もあります。
先週も、あるクライアントで

「世界の中古車市場のデータがほしい」

といわれ、検索してみたのですが、なかなか見つからない…

手を変え、品を変え、30分以上、にらめっこしましたが、わかりませんでした。

何事も限界あります。すべてが必ずネットで見つかるわけではないのですね。

知っているだけでは意味がないとすると、これからの専門家は何をすべきでしょうか?

いろいろな「解」があると思いますが、私が思うのは、オーソドックスながら、

「知識をそのまま出すだけでは、意味がない。自分の見解、自分の解釈、自分の判断を付加し、自分なりの理論・方法論を再構築することこそが肝要である」

ということです。

多くの方が反対はなさらないでしょう。
私も賛成です。

でも、これだけじゃあ、まるで教科書の答えですね。
今日はもうちょっと深く考えてみましょう。

これについてもう少し具体的に考えるために、知的労働を3つに分類し、命名してみましょう。

① 「知識製造」…既存の知識をもとに、新たな理論や方法論を発見したり、発明したりする知的労働です。
② 「知識加工」…既存の知識に、自分なりの分析や解釈、判断や意見を付加したりする知的労働です。
③ 「知識流通」…本で読んだ知識を紹介したり、偉い先生の理論を説明したりする知的労働です。

私たちは、①②③をどれくらいのウェイトで行なっているでしょうか。

昔は、③の知識流通中心でよかったのです。
知識が流通していない時代にあっては、流通業の役割が大きかった。
世の中に、少人数の知識製造業者がいて、彼らとコンタクトをとれた知識流通業者は、その普及に努めます。
2000年前においては、イエスが知識製造業者で、使徒たちは知識流通業者でした。
口数が少なく、愛想のない偉い大学の先生が知識製造を行い、大学院の研究室の学生たちはその普及、すなわち、流通に勤しむ…というのも、同じ構図です。
知識製造者たる先生の名前で本は出るが、書いたのは学生…ということが多いのはそのためです。

しかし、時代ともに、知識流通中心だった知的労働業界は業界地図が変わってきたのです。
インターネットの普及により、ある知識は瞬く間に世界中に伝わるようになり、知識流通だけでは、意味がなくなってしまったからです。
で、今度は②の知識加工時代の幕開けとなります。
誰かが新しい本を書くと、それに対する解釈本、分析本、応用本が次々と出版される。

私も知識加工を行なっている一人です。中小企業診断士向けの理論政策更新研修で「ドラッカー」を取り上げ、自らの解釈を加え、さらに集まって下さった中小企業診断士の皆さんと短時間ながら、ワールドカフェを楽しみました。
これすべて、ドラッカーという大先生がいてこそできる知識加工労働です。

しかし。
知識加工だけをやっていては、知的な成長はありません。
競争も激化しています。

知識加工という言葉は使わなくても、事実上、

「私の仕事は知識加工が中心なのです。一つよろしく」

といっていては、今時、顧客は受け入れてはくれません。
世の中、知識加工業者だらけだからです。

知識加工というレッドオーシャンで、あーじゃこーじゃ、言っているよりは、もう一歩進んだスタイルの知的労働に注力すべきです。

それが、①の知識製造です。

先日、このブログで、

「セミナーを開催するならコンテンツが重要。自分だけの必殺技を! そうでないと集客は難しい」

と書きましたが、言い換えれば

「セミナーを開催するなら知識製造が重要。知識流通はもとより、知識加工でも人は集まらない」

ということになります。

もう一歩進んで、知識製造を中心に、自分の仕事を組み直す必要があります。

知識をしっかりと製造できる組織と人間が勝つ…そんな時代が間もなくやってきます。

その業界で最高の講義、最強の授業をいつでも受けられる以上、それ以外の講義・授業には誰も目を向けなくなる…

「一強他弱の論理」

の時代がやってくるのです。

競争の極致ですね。
あらゆる知的労働は、例外なく、このような似たような競争環境の中に身を置くことになります。
いい悪いではなく、おそらくは、そうなっていくのではないか…という私の予想です。

知的労働が思った以上に難しいのは、

「一旦知識製造を行ったら、その後はそれで飯が食える」

とは行かないところです。

知識は製造し、流通させた瞬間から、陳腐化が始まります。

スピードの時代。

Googleの勉強をするにあたって、最良の参考書は書店にはありません。
Facebookを学ぼうと思っても、最良のテキストは本屋さんには置かれていないのです。

書籍となった瞬間から、固定化された知識は陳腐化しているのです。

「竹永さん、年度本、書きませんか?」

と出版社の担当者に声を書けられたら、

「いいですよ。受験対策の参考書ですか?」

というのが、かつての相場でした。
受験対策の参考書は、毎年の改訂が大前提。陳腐化の速度の速い製品の典型でした。

しかし。
今や、あらゆる世界で、陳腐化が進んでいます。
法律、マーケティング、財務、マネジメント…あらゆる分野での専門書は、書店に並んだ当日には、すでに陳腐化が始まっています。

10年ほど前に、日大の大学院の入学試験を受けた時のことです。

「英語:辞書持ち込み可」

とあり、英語が苦手な私は、

「これはラッキー。助かった」

と、ほくそ笑みました。

ところがどっこい。
当日持ち込んだ、大学受験時代から使ってた

『新・英和中辞典』(研究社)

は、全く役に立ちませんでした。

出題されたのは新聞の記事。
IT時代のM&Aに関するものでした。

「…まったく、この辞書には出ていない単語じゃないか」

研究社が悪いのではなく、私のチョイスが間違っていました

MBAの入学試験に、20年以上前の辞書を持ち込んだ私が馬鹿でした。

合格していたから、笑い話にできますが、不合格だったら、とんでもないミスを犯していたことになります。

知識の陳腐化が激しいということは、同時に、知識製造が難しいことを物語っています。
話を元に戻しましょう。

「一旦知識製造を行ったら、その後はそれで飯が食える」

とは行かないということです。

知識は持続的に製造しなければならないのです。

逆に言えば、今や、知識はストックではなく、フローなのです。

新聞や雑誌の切抜きがなぜ意味がないのかというと、知識がフローだからだ…と言い換えることが出来ます。
切り抜いた瞬間から、記事の減価償却が始まり、後はどんどん価値が小さくなっていくからです。

ところが、今や、それは新聞や雑誌の世界だけではなくなりました。
あらゆる書籍や資料においても、ほぼ同様のことが言えるようになりました。
前述したように、20年前の辞書など、ほとんど何の価値もありません。

以前に山口が、コンサルティング先で、関係者からこんなことを言われたと申しておりました。

「山口さん、そんなに無料でアイディアを出したら、いろんな人に盗まれちゃいますよ」

…誰からかこんなアドバイスを頂いたそうです。

彼が後日、私に尋ねます。

「竹永さん、どう思います?」

意味がわからないですね。盗まれても別に問題なかと…」

「ですよねえ。知識なんてさ、また、作ればいいだけなのになあ」

この会話。
山口と交わしたこの数秒の会話にこそ、これからの知識製造のあり方に関する真理が含まれています。

「知識は作ればよい」

のです。

我々のアイディアを盗んでビジネスをしようとする輩がいるとすれば、

「素手で氷を盗んで喜んでいる」

ようなものです。氷はすぐに溶けてしまうのです。

重要なのは、

「持続的に知識を生み出すインフラ」

の整備。

これにつきます。

中小企業診断士の理論政策更新研修では、低価格で、私たちのビジネス・ノウハウをご提供しています。
それをご提供申し上げている理由も、ここにあります。

「そのままではすぐに溶けてしまう。せめて、知識加工を。できれば、そこから知識製造を!」

ということなのです。

そうすれば、この国の競争力が、ひいては、この星の知的生産性そのものが向上します。
知識流通のオンパレードでは、こうはいかないのです。

「そうは言っても、自秘伝の知識はそう簡単に外には出せない」

と反論される方もいらっしゃることでしょう。

もちろん、そのとおり。
すべての情報を無料で外に流せ…という意味ではありません

知識を流通させる際には、有料でしかるべきであるし、陳腐化しない情報はストックして、私の好きな「不労所得」を目指すべきです。

私が申し上げたいのは、誰でも思いつく知識や流通している知識を、金科玉条のごとく祭り上げ、高額の料金を支払わないと伝えない…といったビジネスは通用しなくなるということです。

私の扱っている知識の大半は、陳腐化の激しいものです。
マーケティング、プロモーション、行動科学、資格試験対策講座の知識…いずれもあっという間に陳腐化します。

だからといってすべての無料で出してしまってはビジネスになりません。
ですから、私は自らが製造する知識を「中核知識」「関連知識」とに大別し、両者の扱いを差別化しているのです。

① 中核知識
私の本業のために製造する知識。有料でのみお届けする(企業内大学、有料講演、有料セミナー、受験対策講座、専門書等)。長い時間とコストをかけて構築し、徹底的に体系化した知識。安売りはしない。

② 関連知識
私の本業を販売するために製造する知識。無料でお届けする(ブログ、Twitter、雑サロ、Facebook、YouTube動画等)。思いつきと直感、仮説と予想、一部の体験談から構築し、一切の整理・体系化はしないでおく。全体が新聞の切り抜きのようなもの。①の中核知識を作る際の素材にもしている。無料が基本。

こんな感じです。
②の情報の質が高く、量が多ければ、①に対する見込客の期待を大きくすることができます。
これが、現在の私のビジネス・シナリオになっているわけです。

知識をストックとして大切にしておくというのは、自分が情報を発信できない…と宣言しているのと同義です。

先日、ある後輩のコンサルタントと話した時に、その彼が

「いやいや、竹永さん、これからのコンサルタントはそんなに知識がなくていいんですよ。いろいろな方から情報が引き出せればよい。引き出す力が大切なのです。ともに学ぶ姿勢…これこそが重要ですよ」

と言うのです。

「雑サロ」で同じようなことをやっている私ですが、これに対しては、私の見解は、

「いいえ、違いますよ」

です。

この後輩。
間違っています…というよりも、根本的に、コンサルティングという仕事がわかっていません

コンサルタントは、知識(情報・ノウハウ)を提供することによってのみ成立している仕事です。
クライアントの知っている知識(情報・ノウハウ)を引き出すだけであれば、それは料金がとれません。
徹底的に、自らが知識製造を行い、その成果を、有料で、流通するべきなのです。

ですから、私の主催する「雑サロ」は無料なのです。
私が「雑サロ」を無料にしているのは、情報のGive and Takeの度合いが高く、つまり、私も情報は発信しているものの、いただく情報がおあまりにも多いので、お金を取るのは妥当ではないと考えているからです。
もちろん、外部会場を使う場合には、正当な経費は参加者に負担して頂く予定です(一回、ヒカリエでやろうかと思っています)。でも、私自身が報酬をいただくしくみにはできません。

主催者たるコンサルタント側が高額の料金をとっておきながら、

「知識を引き出せばよい」
「ともに学べばよい」

という姿勢でのみ、仕事をしているのは、甘えであり、怠慢であり、まことに遺憾なことです。

引き出すことも、ともに学ぶことも重要ですが、それ以上の付加価値が、コンサルタント側になければならないのです。

コンサルタントのみならず、知的労働に従事する人間は、例外なく、

① 知識流通については、可能な限り、無料で行い
② 発信の際にはできるだけそのままではなく、自らの見解を加える知識加工に留意するとともに
③ たくさんの知識を持続的に製造すること

が大切になります。
重要なのは、もちろん、③です。

「そんなの無理だ」

とは思わないでください。
すべての分野でこれが出来る必要はありません。
自分のどメイン(事業領域)の中でこれを行えばよいのです。

「自分には無理だ」

とあきらめないでください。
あなたの業界のたったライバルの1人または1社がそれを実現してしまうと、

「一強他弱の論理」

により、エクセレントな知識を提供し続けるそのライバルだけが勝つことになってしまうのです。
そうなると、皆さんご自身は

「競争均衡から競争劣位へ」

ポジションが移ってしまうのです。

掘り下げるべきは、自らの事業領域における知識であり、その分野においてのみは、

「持続的知識製造」

が必要になるのです。

では、どうやったら、「持続的知識製造」ができるようになるでしょうか?

答えは簡単ではありません。
簡単だったら、誰でもがやっています。
私も試行錯誤です。

しかし。
ひとつ言えるのは、人と接する仕事をしている人間は有利だろうな、SNSに参加している人間は有利だろうな…ということです。

世の中の多くの発想法が、

「刺激」

を重視します。

ブレインストーミング法も、ブレインライティング法も、バズセッションも、KJ法も、ロジックツリーも、ゴードン法も、ワールドカフェも、ホワイトカフェも…
世の中の発想法のほぼすべてが、何らかの

「刺激」

を重視します。

これは正しい。

アイディアが製造され、新たな知識が創成されるためには、須らく刺激が必要なのです。

そしてその刺激は、自然や野鳥やスポーツやゲームや海外旅行である場合もあるのですが、

「人間同士の対話」

である場合が支配的なのです。

この11ヶ月間。
私は、Facebookでとてつもない量の刺激を頂いて来ました。

「日々是ブレスト」

のような毎日でした。

2,000人の友人たちの半分以上は、私の方からお声がけした、世の中の専門家の方々です。
私の知恵袋です。
彼らと出会うことができたことが、私の知的労働生産性を飛躍的に高めてくれたことは間違いありません。
一昨年までの10年間と昨年からの1年間。比較にならないです。この1年間に受けた刺激の量はとてつもなく大きなものです。

「Facebookは家庭教師調達システムである」

先日のコクヨさんでのイベントで、私はこれをお話しました。
Facebookでなくてもよいのです。

「日々是ブレスト」

が実現するシステムをご自身で創りあげてみてください。

仕事のスタイルも、知識の製造量も、加速度的に向上します。
自ずと「持続的知識製造」も可能になるのではないでしょうか。

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2012年4月30日